表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/85

グレン、6

朝起きて新聞を見ると一面にスライル大統領解任という見出しがあった……。

……なんだこれ?

驚きや怒り、悲しみ、思うところはいろいろあったが自分の中からどんな感情も飛び出しては来なかった。

感情の代わりにただ疑問の山だけが次々飛び出してきた。


何でこんなことになった?

何で?

今の状況を作った原因は誰だ?


こんなことになったのはなぜだ……。

スライルさんが5人会議を解任された……。

何で?

スライルさんがボーとしているから、いやきっとそれだけじゃないことが起こったのだろう……。

何で?

何でボーっとするようになった?

ここ数か月で劇的に変わるようなこと……。

ボディーガードとしてそばにいたときは別に人に暴行されたり、脅迫状をもらったりそんなことはない。

唯一考えられるのは……、トルニエ様が捕まったから?


いや、ここがおかしい気がする。

トルニエ様が捕まったことでスライルさんがショックを受けるのはわかるけど、壊れるほどか?

何かほかに要因が?

メンデル様の逮捕も関係が……。

いや、これにもショックを受けただろうけど時期的に違う気がする。

いや分からない。

直接じゃなくても元々持っていた爆弾が何かの拍子にスイッチが入ってしまったみたいな間接的にトリガーが引かれる可能性もある。


もしかしたら、トルニエ事件の真の標的はスライルさんってことも?

……そう考えると、実際トルニエ様には牢屋に入れられる以外に実害がない。

仮定に憶測を重ねる曖昧な論理式だけどあながち否定はできないと思う。


もしこの仮定が正解だったとしたら……、それが最も実行に移しやすいのは当然トルニエ様……。

いや、トルニエ様は物理的に無理だし動機もない。

この前フレロレが提案してたけどキーデルが全否定したし、俺もそう思う。

トルニエ様は違う……。


この仮定が正しかったときにまず考えるのは、スライルさんが解任されることで得する人物はいったい誰だということだが……。

……そんな人はいっぱいいる。

実質あの人が一人で国のすべてを牛耳っていた。

その権力が宙ぶらりんになれば手に入れやすい。

というか後釜になれれば国を好き放題できる。


そして、あの力を手に入れられる可能性が高い人物は限られている。

……誰が?

5人会議にいる誰かだろう。

実際に第2代大統領に就任したナートルって人か?

ぶっちゃけそんなに印象ないんだけどなその人。

いや、5人会議の様子を見てた感じではそこまで権力に固執していたわけではない。

それとも他に……。


ただこの暴挙をだまって許すわけにはいかない。

現状結果から、怒ってしまったことから過去の出来事に結び付けることで精一杯だ。

完全に真犯人の策略に後手後手に回っている……。

このままじゃダメだ。

この国を、この世界を守っていかなくてはならない。

もう戦はうんざりだ。


だけどどこから手を付けたらいい?

本当に何もない。

真犯人の考えやこれから、というか真犯人なるものが存在するのかすらわからない。

国の代表たちが怪しいけどもしかしたら結構身近にいるかもしれない。

スライルさんを解職してこの先どうなるのかも……。


そもそもこの事件は俺が一人でやるにはあまりに大きすぎる。

フレロレやキーデルに相談しよう。

スライルさんの元気がこの国の元気だ。


もし、このまま悪い方に進んでいったら……。

あまり考えたくないけど……。

でも、今は見えない脅威から大切な人を確実に守れる強さが必要だ……。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ