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ゴルジオ、酒場バーテン

まったくなんで朝から説教されなきゃなんねぇんだ。

ふざけんな!

たかが飲み屋一軒潰しただけでよう!

あ~あ、やってらんねぇぜ!

部下が予約を取っていたという店に着くと店の前で部下が待っていた。

「親方、待ってやした。ささ、この店ですぜ!」

「ああ……。」

「おや、なんかあったんですかい?」

「ああ、朝からメンデルとブロームの奴に文句言われて腹立ってんだ!おい、ちょっとお前一発殴らせろ!」

俺は目の前にいた新しい参謀を思いっきりぶん殴る。参謀とは言ってもこいつは昔の荒くれていたころから連れで特に俺に殴られるくらいしか取り柄がないのだが、同情でこの役職を与えた。どうせ戦争なんてもうないんだ。軍師なんて誰がやっても同じだ。

新参謀であるギミーを思いっきりぶん殴ってみたが思っていたほど気持ちは晴れない

「スッキリしねぇな。」

「……殴っておいて、そりゃないっすよ。」

ギミーには悪いと思ったがやはりスッキリしない。たぶんあと何発殴っても変わらないだろう。

最近こんなのばっかりだ。平和な世の中になって俺は逆にイライラしてる気がする。

なぜだ?

……、考えてもわからん。酒飲んで女を囲ってる時が唯一俺に安らぎをもたらす。


さっき殴り飛ばした部下を起こし店に入る。

「お前、さっきはすまなかったな。ここは俺のおごりだ、好きなもん注文しな!」

「親方も殴るんならもっと早く言って下せえ。こっちにも準備ってもんが。まあいいや。今日は旦那のおごりだぜ!」

若い姉ちゃんが出てくる。

「いらっしゃいませ。何名様でお越しですか?」

赤と白のバンダナを頭にかぶり大きな黄色いエプロンが明るい雰囲気を漂わせている。

まさに俺の好みのタイプだった。

「いい店見つけたな!」

俺は部下にボソッとつぶやくとその姉ちゃんの方に向き直る。

「あんた、いいね。名前はなんて言うんだ?」

「あら、私ですか?私はナーラよ。よろしくね。ところで何名様でお越しですか?」

「ああ、すまん。今日は10人だ。」

「10名様ですね。少々お待ちください。」

「そんなことより姉ちゃん。俺達と一緒に飲まないか?」

「いえ、私今仕事中何で!」

「金なら出すからよ!」

「やめてください。しつこいと――。」


「おいおい、何騒いでんだ、姉ちゃん。」

店の奥から2本の剣をぶら下げた男が現れた。

この男どっかで見たことあるような……。

「姉ちゃんはよく変なのに絡まれんだよな。まったく、俺がついてないとだめだな」


よく変なのに絡まれんのは俺だ。

「どうしたの、グレン。ってゴルジオ将軍じゃないですか!」

頼りなさそうなガキと

「……何騒いでんだ、グレン。って、あ……。」

またしてもどっかで見たことある小僧が奥からわらわらと出てくる。

「おう、フレロレにキーデル。いや、ねーちゃんが絡まれてたからな……。」

最初に出てきた奴は少し困ったような顔で話している。

2番目に出てきた奴は大したことなさそうだが、最初と最後に出てきた奴は面倒だ。

というか3番目に出てきたあいつはトルニエさんのところから新しく俺の軍に来た確か名はキーデルつったか……。


あいつは手を出さないとしてもここで最初の奴とやり合えば間違いなくこの店は潰れる。

さっきメンデルとかブロームに小言言われたばっかじゃやりにくい。


「ちっ、今日はずらかるぜ。また来るぜ、ねーちゃん。おい、違う店探してこい!」

部下のケツをけっ飛ばして外に出る。

俺の建国記念日は最悪だった。

まったくむしゃくしゃするぜ。


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