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SELECT REMEMBERS 【修正前版】(旧「remember」)  作者: ヨベ キラセス
第一章 覚醒
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続く悪魔

 逃げて逃げて逃げて……………。


 途中、綺羅さん の悲鳴らしい声が聞こえるのを空耳と思った。だって、ありえないですもの。


 振り切って何キロだろう。もう家は見えなくなってしまった。しかし…


「あ…ネツ み〜つけー」


 ダッシュ!ダッシュ!!ダッシュ!!!


「どうしたの〜、ネツ〜?ジョギングはもういいんだよ〜」


「そうよ、ネツ。こっちにおいで〜」


「一緒に笑顔になろうよ〜」


 完全に狂った 綺羅さん と かの が、並んで道ずれを増やそうとしている。


「来るなーーーーーーー!!!」


「「「ネツうぅぅぅぅ!!!」」」


 ギイヤーーーーーーーー!!!


 あ、もう振り切る自身がない。でも、この距離を保ってれば問題なんて……


 ガシッ!


「………つ〜かまえた♡」


「「………………いらっしゃい……仲間の輪へ」」


 恐ろしく笑顔な かな と、完全に何か見えてるような顔をした 綺羅さん と かの が後ろにいた。よくあるよね、後ろの正面、だ〜あれ?


 アァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!





 記憶はない。ただ、腹がやけに下痢っぽくなっていた。


 トイレ地獄から解放された俺は、取り敢えずあの紙のことを思い出す。あれは一体なんなのかはわからない。

「一体誰があんなものをー」



 …私だけどね〜



「!?」

 周りを見る。しかし、あるのはトイレと長い廊下、そして時々通るメイドしがいない。



 …探しても無駄だよ〜



 声からするに、10代の女の子だと思う。



 …おっ、すごい……ほぼ正解だね



 どうやら心を読むことができるらしい。



 …そうだよ〜……探偵に向いているよ〜、君



 探偵になれるほどの知識はないさ。まして記憶がはっきりしてないのに…



 …それはそうと、あれ…決めてくれた〜?



『あれ』とは、『選択肢』のことだろう。



 …さすが〜、正解だよ〜



「さっきからうるさい」



 …そりゃ済まない……でも周りには聞こえないから気をつけて



 そう、周りから冷たい視線を感じる。



 …で?



 もちろん答える義理などない。



 …よっ、カッコイイ!!



 そりゃどうも。



 …まあ、決めないといけない時に決めるといい…おっと、時間だ



「ち、ちょっとまて!」





 もう、奴の声は聞こえなくなっていた。しかし、なんだったのだろう?

「名前くらい教えろよ…」


 ポトッ


 紙が俺のつま先に落ちた。しかし、何処から?


板井いたい 瑞花すいか

 15歳

 女

 趣味:ギャルゲー

 電話番号:XXX-09X4-XX09』


 いや、『ギャルゲー』は趣味じゃないだろ!てか、何故に番号付き!?



(『選択肢』決めた?)



「あんなの、決められるか!」

 と、名刺を投げたが、着地する前に消えた。


 のちに、名刺は俺の胸ポケットの中にしまってあったことを知る。





 この日、もう一つ事件が残っていた。


「キャアァァァァ!!!!!」


 悲鳴は俺の部屋で…えっ?俺の部屋?


 俺の部屋に到着!よくあるセリフの準備完了!

「どうした!?何があった!!」


「キャァァァァァァァ!!!!!!!」


 バシン!!



 意識が戻るのに数分とかからなかった。


 バチン!


「うわあぁぁぁぁぁ!!」

「驚くの遅い!」

 と、何故かここにいる、さっきの声の張本人、かな がいた。

「何俺の部屋に入ってるんだよ!?」

「あんた、居候でしょ!!」

 そうだった、居候だ。

「で、居候の俺の部屋になんかようか?」

「え、ええ、その通りよ!」

 威張るなよ。居候といえ、男の部屋だぞ。

「で、この状況は?」

 と、この抱きつかれてる理由を聞いている。仄かに当たる感触から、理性を保ちながら…

「え、何が?」

 と、この『状況』の内容に気づくまでに、理性が飛ぶ一歩手前で察してくれた。

「きゃあ!!」

 と、飛び出た。


「…で、何があったの?」

「えっと…ご…」

「ご?」

「ご…ご…ご……ごぎ…ごぎb」

「もういい、わかった」

 すなわち『G』だろう。ロボットの『G』ではなく。

「で、どこにいる?」

「そこっ!!」

 と俺の机を指差す。

 あれ、今光ったぞ。扉を開け、救援を呼びたいが、外に出られたら最後だろう。扉は閉めるべきだろう。

「どうかしましたか!?」

「いま、開けないでください!『G』がいますので」

 それだけでメイドは納得したのだろう、開けなかった。



 それから『G』撃退会議が開かれた。もちろん、二人・・で。

「あれ、あと何匹いー」

「やめてーーー!!」

 と叩かれた。


 さあ、捕まえる時が来た。

「いいか、近づくなよ」

「いいから早く取ってよ!!」

 と、そっと近づく。

 あと3メートル。

 あと2メートル。

 あと1メートル。

 よし、あと30セン…


 …邪魔って、ここぞとばかりの時くるよね〜


「はあ?」

「どうしたのよ、ねー」


「オネー様ァァァ!!」


 ドガシャン!


 厳重にロックしてあった扉を壊して入ってきた闖入者。もちろん『姉LOVE』かの だ。

「この薄れ泥水ボロ雑巾がァァァァァ!!」

 とキック。

「この…」

 腐れシスコーーーーーン!!


 ゴスッ!


 ぴゅうぅぅぅぅぅん


 ドシャッ!


 グチャ!


 グチャ?


 …あ〜あ、きったね〜


 はあ?


「ネツ、だいじょー」

 という かな と、哀れな目で見るシスコンがそこにあった。

「ティ、Tシャツ…」

 そう、そこにはあの『グチャ!』の意味まだがあった。もちろん、得意なわけでもなく…


「アァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」


 そりゃ絶叫するさ。

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