覚えてる殺気
さて、翌日のこと(なぜその夜を話さないのかは、まあ、伏せてくれ)
あ、ちなみに会長はと言うと、なんか、別れたふりして、途中尾行されてたのが明らかに分かっていたから、途中でまいて、あとはしらん
教室
殺気はもうほぼ鎮静化されたようだ
もう当分は針山は御免だ
「はーい席つけ〜。またまた転校生だよー」
と、音部先生が入ってきた
あ、だからさっきから俺とカナ、板井以外がソワソワしてたのか
「では、入ってこい。そして自己紹介だ」
この人、適当だなー。今更だけど
入ってきたのは、赤髪短髪の、熱血さ5冷静さ5ぐらいの顔をした子だった
「……どうも、『鹿原 境』です。よろしくお願いします」
と、きっちり45度で礼をする鹿原
拍手の嵐の後、鹿原は指定席に向かう、その時だった
他の奴に笑顔を見せてたはずの鹿原が、俺を捉えた瞬間、殺気が俺を襲う
完全に仇を見る目だった
俺は、この目を、他の人で見たことがある。しかも、記憶が消える前に……
奴が通り過ぎたのがわかった時、俺はどっと汗が出た
明らかに、俺に対してだ
俺はもう、この日は居眠りに徹していくことにした