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不思議な事
「板井〜、手伝ってくれー」
我慢できなくなった俺は、僅かな希望を胸……
「えー、無理〜」
……の中で壊された
分かってたさ、うん
でもな、こっちには秘策があるんだよ、板井!
「じゃあさ、週末にパフェ奢るぞー」
「寄越しなさい、そのクズ紙を」
ぐーたらと菓子食ってるやつって、大概スイーツに目が無い
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ものの10分で終わった
正直、板井に手伝わせたのは半分正解半分失敗だった
その後、その働き以上のケーキを請求された
俺の収入に大打撃だ
酷い食欲だ、と思ったら見透かされて何か投げられそうだから考えない
その後、店を出た俺とカナ、板井、何故か会長
「じゃ、また明日ね」
と言って、板井は素早く走って行ってしまった
余談だが、板井とは一緒に暮らしてはいない(この能力を教え、よく知ってて、俺をこの運命に巻き込んだような張本人なのにな)
あいつ曰く、「男との同棲は、私に安全を妨げる」と
全く、不思議な奴だ。今更だけど