不穏な風
風が吹く
木々が擦れる
太陽が輝く
水が光る
俺は今、やつを殺すためにこの学校に来た
俺は、やつの力を見極め、それにふさわしい対処をしろ、と言われたがそのつもりはない
殺す気で俺はターゲットを見極める
紙に書かれた『選択肢』を見ながら俺は決意をした
《A,妹が死ぬ
B,『異型選択者・洲崎 熱也』を殺す
c,上記の者を見極め、適切な結果を出す》
「待ってろよ、楚歌。兄ちゃん、絶対お前を守るからな」
人々のざわめきが絶えない、とある商店街へと、歩みだした
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あの、俺が精神的に追い詰められてから数日間、あきらめた俺に、山積みの書類を渡された
もちろん、現在は『雑務』をしている
さらに、カナも手伝わせている
そして板井は...
「ギャハハハ!」
と、漫画を読みながらポテチを食ってくつろいでいるのだった
何か言いたい気も、すっごくあるけど言えずにいる
遡ること、数十分前
俺達三人は、庄子生徒会長に呼び出され、この雑務を押し付けられた
クリスマスプレゼントを渡すような恥じらいの表情と言葉で
斎木を含む生徒会面々が今日休んでしまったこともあり、誰も動いてなかったらしい
彼らが休んでる理由は、庄子さんの命令のようだが...
で、やってはいたが、予想通り板井はだらけた
なので、(個人的に)すっごく難易度の高い『パソコン仕事』を命じた
あんなちまちま押さないといけないものなんかより、実際に書いたほうが早いのだから、俺は裏で笑った
しかし、なぜかすんなりと言うことを聞いて、ささっと椅子に座った
そして、目で追うのがやっとなぐらいの速度で、キーボードを打っていった
「できたわ」というまでにかかった時間は、たったの一分
彼女曰く、「最近鈍ったわ。あんなの三十秒もかからないわ」と
そして、堂々とくつろぎだした
ここには冷蔵庫がある
そこからいきなりプリンを板井は取り出した
「勝手にとるなよ」
「これ私のよ」
ここはいつからお前の休憩所になったよ
「あ、カナっち、プリンあげる~」
と、四個入りのプリンを一つ、カナにあげた
「ありがと~」
「あ、先輩も~」
「お、うれし~」
と、会長席に座ってる庄子さんにもあげている
「あ、ネツ~」
「お、さん」
「この書類、間違ってるよ~」
「...ああ、サンキュー」
と、ソファーに戻ってった板井に目を向けると、二個目のプリンを開けてるとこを見た