会長職のデメリット
さっきの板井の質問で、斎木は答えようと思えばいくらでも出せることは分かった
なら、逆にデメリットも知ってるはずだ
「そんな多くなくていい。俺の脳的にもな」
「そうですか......あえて言うとすれば」
敵に狙われやすいことですかね
「敵?」
「はい。ここでは、『人気投票』は感情的には二番目で、本当の投票理由は『最強』の証明でもあるんだ」
「そうなら、俺には無理だ」
そう。正直に言うと、庄子生徒会長の実力は、並大抵ではない
あの襲撃のとき、『四字熟語意味発揮能力』を使っただけでなく、彼女自身の運動神経は異常だ。少なくとも、俺には無理だ。それに、カナの能力だって、使い方を熟知すれば会長と同等、またはそれ以上になる
対して、俺の能力は開発段階。しかも、身体能力は昔から『中の中』ぐらいだ。とても敵わない
「他には?」
「立場逆転だね。あとは『恒例大会』で、『ある組織』にだけは負けてはいけない」
「恒例のは前回のあれとして、『ある組織』とは?」
「爽果高校『規律・風紀委員会』と『研究連盟団』にです」
「それまたなんでだ?」
「『規律・風紀委員会』については会長の私情です」
「うんわかってる」
どうせ、制服とかだろうな
「『研究連盟団』については、彼らがこの『能力者』の研究に対して、『能力の複製』は功績ですが、のりすぎて『能力の強化』をする薬を作るのを阻止するためです」
「なぜだ?」
画期的だと思った。次の言葉を聞くまでは...
「やり方次第では『暴走』し、もしかすると『能力の一人歩き』となるかもしれないからです」