会長職のメリット
三人のド突きと、数分の愚痴の後、斎木は本題に戻った
言うまでもないが、頭の腫れたうえで、たんこぶ爺さんみたいになったのは言うまでもないことだろう
「では、本当に入っては」
「いつでも断る!」
「...そこは変わらないんですね。あと、意味分からなくなりそうですよ」
落ち込み顔だった
「え~! なんでさー!」
カナが入ってきた
「こんな機会は滅多に無いんだよ~! やりなよー」
「やだよ! 面倒だろ絶対!!」
「...入ってくれないの?」
「そんな涙目で言われても嫌です! あと、板井は笑いすぎ!!」
と、出てもいない涙を拭う会長と、笑いこける板井を睨みながら話を戻す
「まあ、メリットがあれば聞くさ」
「なら、あなたにとってのデメリットは?」
「書類」
「きっぱり出すね。それに関しては「わたしやったことなーい」...会長、話に割り込まないでください」
ワオ。いい連携
「まず、今の発言のように書類は書記と会計がやりますし、ゆういつの最終審査は副会長がはんこを押すでもいいので、問題はありませんよ。 次は?」
「会議」
「それでしたら、基本はドンと座ってるだけでもいいですよ。 事実、この人は基本いませんから」
「じゃあなぜこいつ会長なんだよ!?」
「こいつじゃないわよ~! 庄子ちゃんだよ~!」
「確かに不思議ですね」
「ちょっと副会長! あなたも納得しないでよ~!! ここは基本『人気投票』なんだから~」
「この学校大丈夫?」
「実際、『旧爽果高校』はまだマシだったかもね」
「ちょっと、こっち見て言わないでよ~!」
そういうと、ぶつぶつと後ろを向いて拗ねた
「じゃあ、次いくか」
「ですね」
すごい号泣が聞こえた
「昼飯!」
「いきなりセリフ取るな、板井! しかも、お前の要望じゃねーか!!」
板井は舌を出して黙った
「まあ、昼は基本自主的なので問題ないはずです。 …なんなら、余ってる予算内で弁当を支給しますよ」
「おいやめろ。 すぐ近くに職権濫用者がいるだろが」
まあ、あの落ち込みようから聞こえてないと思うが
「では次は…」
「会長になった時のメリット〜!」
「カナ、いきなり入ってくるな」
「えー」
カナは机に顎をつけてブーブー言ってる。……マジで「ブーブー」言うやつ初めて見た
斎木は律儀に一応答えてくれる
「えーと、メリットはあの人みたいに定植しない範囲であればなんでも職権濫用できます。あとは生徒総会では基本椅子に座ってるままです」
「え? 生徒会だけなの、椅子に座るのって?」
「ええ、基本は」
「じゃあ他は床……やべ、前者はともかく後者はメリットだ!」
「…あなたの基準がわかりません……あとは、『リーダー研修』で遠出します」
「おお! 修学旅行が二倍だ!」
「…本校は毎年ありますから」
「え、そういや前にクラスでも聞いたけど、その理由は?」
すると、一呼吸して言う
「修学旅行は基本二週間ですが、その中間で『実力測定実習』と言うものがありまして…」
「ちょっと待て。その表記はあってるか?」
「ええ、『実力測定実習』を『テスター プロジェクト』と命名したのこの会長ですから」
「あ、納得だ」
と、会長を見るが、まだいじけてる
ふと、手っ取り早くていい質問を思いついた。きっかけは板井
「じゃあ、逆にデメリットは?」