悪あがき
激戦(?)をくぐり抜けて、やっと勝利した俺と斎木
「…さて、どうしようか」
「じゃああとは専門家に頼みましょうか」
「まあ、警察では対処出来ないからな」
この『四字熟語意味発揮能力』は、誰でもってわけではない
当然、警察にいるとは思えない
「にしても、よくこんな設備があったな…」
「情報収集するやからもいるからこその対策です」
この学校大丈夫か?
「じゃあ、日常茶飯事なことなのか」
「いえ、これが初めてですよ?」
あれおかしいな。食い違ってる気がする
「じゃあ、誰の方針だよ!?」
「会長です」
あ、あの呑気で争い好きの会長か…
「さて、その会長を助けますか」
「そうですね」
と、校舎に向かった
「…まだ…だ」
「「!?」」
俺たちは振り向いた
そこには、あの男が立っていた
「…貴様…は……そんなもんじゃ…ないはず…だ」
「だから、誰と間違えてるんだよ?!」
「…貴様は…そんな…男じゃ…な…」
ゴスッ
男は倒れた
後ろで会長が振り上げたハンマーで…
「…そうなのね、あなたは『採長補短』の能力者なのね。だからこそ、あなたは倒れたのよ」
庄子さんは悲しそうな目で言う
「『採長補短』はね、簡単に言うと『相手の長所を真似て、自分の短所を補う』って意味よ。でもね、あなたは真似るのをやり過ぎた。それに、私の『神出鬼没』は能力者に負担がかかりやすくて、距離が多いほど倍加するのよ。たった一回で体力は限界になるのよ…」
と、残念そうな顔で男の胸に手を当て、何かを取り出した
丸い球体だ
現実のものに見えないそれを、彼女はしまい、男と一緒に消えた