囮の檻
その頃、宙ぶらりんの生徒会長は…
ガラケーをいじっていた。血が滴りすぎて、手が滑るけど…
「あーあ、スマホ欲しいなー」
と、人気ゲームのページを見ながら嘆いていた
そして、カメラを開いた
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わかってはいたことだが、檻は簡単によけられた
「…つまらん工作を」
「そりゃ残念…でもさ、これで終わるとでも?」
「…やはり企んでるか」
「企んでるのは認めるよ。でも、まだ勘違いが抜けてないんじゃない?」
「…何が勘違い、と?」
「お前はさっきから、俺をだれかと間違えてるだろ」
「…いや、お前だ」
「いーや、俺じゃない!」
「…何の時間稼ぎだ?」
「教えねーよ、バーカ!」
と言って、俺は後ろに隠してたスイッチを押した
ちょうど檻を取り囲むように、爆発し、落下した
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この学校には地下がある
そう、庄子さんから聞いた
理由は単純。ただ、安全に『四字熟語意味発揮能力』を使うために、だ
普段は地下の壁は頑丈で、穴さえ開けられない
だけど、そんな金属が早々あるわけではない。だって、能力はいろいろなのだから
だから、副会長の能力で、その時の頑丈に設定されていたのだ
だから、あっさり穴を開けられるようにしてもらったのだ
そして、二重トラップが存在するとも
穴が空くと、自動で封鎖され、バリアフィールドなるものも展開されるとも言っている
俺はそれを覚えていたため、それを実行した
檻は囮だ
何の関係もない檻だ
でも…
「この檻は今、本当の檻になる!」
俺は檻を蹴り、檻はちょうど着地した奴に向かって行った
そして、言葉通りに檻になった後、穴は塞がった
「ざまーみろ! この無口野郎が!!」
「…これは修理代がかかりそうだ」
と、斎木が頭を悩ましていたのは言うまでもないことだろう