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プロローグ Bパート
「おい!ここから出せ!!」
しかし、声は返ってこない。なぜか幼すぎる体型をしてる気がする。
「誰か…助けろよ……」
黒く、柵も何もない、無限に広がる一室で、俺は抗う。もう……。
(……ここが、倒れてたあなたがいたところだけど、どう?)
ふと、声がした。少女が話すような、少しトーンの高い声だった。
俺は、この声を知っている、かもしれない。
ふと、ある道路が見える。この道路を俺は知っている。
(……いや、さっぱりだ)
また、声がした。今度は男だ。彼も知っている、気がする。いや、知っている。彼とは……
結果的に、彼のことも思い出せなかった。
(ゆっくりと思い出せばいいんだよ。時間だって…)
時間?そうだ、俺はすぐにやらないといけないんだ、そのためにも時間は少ない。一生?それじゃ……
「俺はそれじゃあ…」
「それじゃあ時間がないんだ!!」