対峙
折角なので、20日もいってみよう!
「アハハハハハハハ!逃げろ!!逃げろ!!!」
「…あのですね、会長。救護の私たちの気持ちも考えてくれます」
と私の後ろから、二年で保健委員長の『綱波 奈穂』が近づいてきた
「え〜!もっとギッタンギッタンに」
と、片手に持った木製ハンマーを振り回す
「しないでもらえます?性格を変えるのはいいですが、このままだと治しが間に合わず、あなたがつかまりますよ?」
「う〜ん、それもそうだな」
と言われてすぐ、近づく一人の男子生徒を気絶させる
奈穂が頭を抱えたのは、言うまでもないだろう
ちなみに、保健委員長の 菜穂 は《応病与薬》、すなわち《その治療者の資質分で治療の状態が変わる》のレプリカ使用者だ。保健委員にはそのレプリカ、または助手、そして《所有者》で構成されている
他にもいろいろなレプリカはあるが…
「ではここは会計と書記、それに保健委員に任せて、私はあの『転校生』と『侵入者』をなんとかしますか。運よく 斎木 もいるようだし…あのサボリ魔が」
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「うっ、悪寒が」
「………気のせいだと思おうか…」
「で、ここまでで質問は」
「ないどころか、十分聞けたとも」
な、板井
…まあ、私でも知ってるのが少ないからな〜
いつからだ?
…門を出て、2〜3分かな?
お前の肉体…のトレースは?
…スリープ中だよ
そりゃ便利な
と、すぐ近くの芝生で横になって爆睡してる 板井 が予想できる
…それはそうと、侵入者が来たぞ
「マジで!?」
「どうかなさいました?」
とお茶をすする 斎木 が聞く
「いやなんでも。それより、侵入者ってきてたりするか?」
もし本当なら、斎木 の《情報操作》で分かるはず…
「ちょっと待ってください」
スキャニングを開始した。たった五秒で終り、答えはYESだ
「数は1、しかし『四字熟語意味発揮能力者』にしか見られなかった微弱な電波発生から『四字熟語意味発揮能力者』と断定」
「倒せそうか?」
「倒すより、追い返しますか」
と、何か操作し始めた
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ザザザッ………………
さっきまで精密熱源探知で来たが、ノイズがはしり、止まった
「…不良品が、それとも」
俺は投げ捨て、さっきまであった熱源の座標まで走る
ガラッ!
しかし、もぬけの殻だ
いや、一人いる
ターゲットではないが、警戒はしろと言われた人物だ
コードネーム:キラー10
本名:駿河 庄子
能力:不明
「いや〜、遅かったね。今私の右腕が隠したのよ。すごいでしょ〜」
「…いつからだ?」
「まあまあ、そんなことはどうでもいいんだよ。君ね〜、歳いくつ?」
「………」
「わかった!19歳だ」
「………」
「図星なの〜、ねえ図星なの〜」
スパッ
俺は口数の多い女を切った
ゴスッ
しかしいきなり、後ろからハンマーで殴りかかってきた、至近距離で
当然よけるが
「あれれ?反射神経鍛えてるの??」
仕事上、身についてきただけさ
「…でも、次はどうかな?」
消えた
また後ろだ。避けるのは簡単…
ではなかった。さらに消え、避けた方向からハンマーを振りかぶって…
床を打ち抜いた
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俺と 斎木 は逃げる…ではなく追い出す準備をしていた…が、会長によって壊された
「………僕の…傑作が…」
実際には、網で捕獲→設置地点に装填→強力ばねでさようなら、だったが邪魔だったらしく壊された
てか、なんか単純すぎるもの作ったけど、確か秀才じゃなかったっけ?
「こうなったら参戦するか」
と立ち上がったところで、何もないはずのズボンのポケットから紙が落ちた
選択肢だ
『A:破壊
B:逃走』
いやいやいや、Bはないだろ
てか《破壊》ってなんだよ!?
俺は断然Aだろ
しかし、よくよく考えてみようか
やつの能力はまだみてない
つまり危険だ
ここは様子見だな
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その時はまだ、このメモの意味を分かってはいなかった