経緯
「まず聞きたいことはありますか?」
「なんでもいいのか?」
「はい、私が聞きたい分まで聞きますとも。あと、私のことは『斎木』と呼んでくださると幸いです」
斎木 はそう言うと、気づかなかったが影にいる生徒5人に手で指示をした。全員が女子のようだ
机と椅子、それにお茶だ
俺は椅子に腰掛けた
この子達は、外の奴らの表情とは違い、爽やかだった。いや、爽やかすぎた
「斎木、お前すごくモテモテだな…」
「呼び捨てで呼んでくれてありがとうございます。しかしながら、あなたほどではありませんよ」
「いや、あれは恐怖だろ」
「そっちの方ではないのですがね………それに、彼女たちのことでしたら、なお違いますよ」
「何故に?」
「それは後々話しますよ………それよりも、あなたが知りたいのは、この『強者決定戦』が開催され、《四字熟語意味発揮能力》まで取り入れてるか、でしょう」
「…その口ぶりだと、斎木 も能力者なのか?」
「仰る通りですよ、熱也君」
「呼び捨てでいい………で、お前の能力は?」
「呼び捨てで喋るのが夢だったんですよ………私の能力は他言無用でお願いします」
「それほどなのか?」
「いえ、期待しすぎた人たちを幻滅させたくないので」
確かに第一印象が只者ではないからな
「私の能力は、『情報操作』です」
「…それって、四字熟語なんだ」
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能力名:情報操作
能力:情報の操作、幻覚効果、情報網遮断など
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「なんか、使えるのか分からんな」
「まあ、そういうものですよ」
幻滅とまではいかなくとも、ガッカリは少しいた
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『分かってるだろうな…この依頼を失敗させれば』
「情報漏えい防止のために殺す、だろ?」
『分かってるならいい……しかし…ここには《キラー10》と《S1》がいるとの情報もある…ミッションの無事成功を祈る』
ボン
通信後、通信機は壊れた
「賞金首にしてはちっぽけな金額だが、まあ殺し有りだしいいか」
肉包丁を持って、人だかりのある門からではなく、裏口から『爽果高校』に侵入した
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彼の説明だと、こうなる
《四字熟語意味発揮能力》が発生したのは、かな が来なくなってすぐらしい。かな が来なくなった理由は不明らしい。
その日は《流行性アルツハイマー病》が全校で発生したという。その後治ったが、一部の生徒は『四字熟語意味発揮能力』に覚醒、その他も適性があるまでになりました。人数は10人でした。同じ能力であったり、違かったりが多かったです
その中で最弱5名の《レプリカ》を作成、適性の高い20名が使用しています
《最強決定戦》がはじまるきっかけは、会長の絶対的な意見でした
その頃から学校は荒れていき、統制を保てなくなりつつあった時に会長が『だったら勝った奴が最強で、そいつの願いをなんでも聞こう』と言い出したのです。
博打でしたよ。生徒会で参加なんてほぼ少ないですもの。ただ、わたくしと会長は参加し、連勝し続け、威嚇も兼ねて秩序が元通り
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「ちょ待て!」
「なんです?」
「だったら一回でいいだろ!?」
「いえいえ、定期的な威嚇は続けないと」
「もういいや」
お茶のお代わりが来た
よく見ると透けて…
「まさか、これって幻覚か!?」
「察しがいいですね」
こりゃ参った
「ここまでできるなら、会長の座でも…」
俺はそこで口を閉じた
明らかに今、斎木 は動揺している
「そ、そんな恐ろしいこと、出来るはずないでしょう…」
余程 淳奈先輩 は怖いらしい
こんな 斎木 をみたら、鉢合わせだけはしたくないな、と外の悲鳴と高笑いを聞きながら思う
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高笑いが聞こえる
しかし女の、だ
ターゲットは男と聞いている
センサーも反応する方向が違う
俺には『失敗』の二文字はない
血を吸い付くしながら、俺は階段を一段、一段と上がる