学校へ
「はい、そこ!制服を正しなさい!」
「「「す、すいませんでした!《生徒会長》」」」
全く、これだから最近の男子は堕落するのよ
いっその事、力で…
「って、ダメかな〜」
ふと思う
「かなちゃん、どうしてるかな?」
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俺は今、正座させられている
前には かな・かの コンビ
いつも通り微笑む 宇佐美さん
料理に逃げた 吉原さん
横に元凶の 板井
「…で、ネツ の力が発揮できたのは、この人のおかげで」
「うんうん」
「…それで彼女?」
「うんうん♡」
「んなわけあるか!!」
「冗談冗談」
何故か刺さる視線が二つ
「……………」
逃げる準備するか?
でもこいつ今、《複雑怪奇》使えるんだよな
「……まあいいわ」
何とか死はまぬがれた
宇佐美さん はクスクス笑う
「おーい、メシだ」
グッジョブ!吉原さん
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結果として、板井 も一緒に暮らすまで発展した
部屋も空いてたらしい
しかし
「何があっても覗かないでくださいね」
お前はツルか!
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翌日の昼頃、宇佐美さん が提案してきた
「皆様、《学校》に行かれては?」
何故だろう。俺は記憶がないのに、単語だけで意味がわかってしまう時がある
「行きましょう、お姉様!」
「あんた、中等部でしょ!私達は高等部!」
まあそうだろうな
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着慣れない制服を着る俺
泣きじゃくる かの を引き剥がしてる かな
ウキウキのままの 板井
「そんじゃ、しゅっぱ〜つ!」
「なにあんたが仕切ってるのよ!」
「……はあ」
様々な思いで、『爽果高校』へと歩き出した
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「た、大変だ!職員室で今日 かな が来るぞ!」「マジで!?」「しかも転校生もだとよ!」「女子?それとも男子?」「それがどっちもだとさ!」「すげー、二人もか!」「きゃーっ!最高ーーー!」
「こら、朝課外中の3年の邪魔になるから静かになさい」
「しかし生徒会長、かな が来るんですよ!」
「3年に叱られたいなら続けるといい」
皆がしんとした
私だって嬉しいさ
今でも飛んで行きたいくらい
しかし生徒会長なのだから、規律は守ることが大事だ
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「じゃあ『音部先生』、あとはお願いします」
そう言って かな は出て行った
「珍しくきたと思ったら、完全に雰囲気変わったな」
「え、昔からじゃないのか?」
「いやいや、昔は表情豊かじゃなかったから。それに結構友達少なかった気がするが、嫌われはしなかったよ」
「ふ〜ん」
思わぬ一面を見た気がした
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「おひさー、かな!」
「久しぶり、ほのっち!」
「おお、雰囲気変わったね〜。何食った!」
「何もお菓子なのは食ってないわよ〜」
どうやら、浮いた存在にはいないようだ
しかし、ラブレターが増えてたのにはびっくりだ
それから数分雑談をした
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「はーい、席につけ。転校生を紹介するぞ」
その後、つつがなく終わり、休み時間は かな と 板井 の周りに人だかりが出来ていた
俺は校舎を見学することにした
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なのに、迷ってしまった!
来た道戻っても分からない!
「誰か助けてくれー!」
「どうしたの?」
「おわっ!?」
俺はいきなり後ろからの声にジャンプした
「ご、ごめんなさい。驚かすつもりはなかったの」
「いえ、こちらこそ」
と俺は振り向く
そこに立ってたのは
俺みたいな普通の黒い制服でなく、白い制服を着た
見た目的に気品があり
…ちょっと胸が小さい
俺と同じ背の生徒がいた
「あ、私は二年で生徒会長の『駿河 庄子』よ、よろしく」
「あ、生徒会長でしたか。俺は」
「『洲崎 熱也』さんですね」
「あれ、あったことってありますか?」
「いえ。しかし私は生徒会長なので」
「ああ、なるほど。では、生徒会長どの」
「『庄子』でいいわ」
「じゃあ庄子先輩、《1-D》ってどこでしょうか?」
「え?すぐ目と鼻の先よ」
その通り、指さされた方には《1-D》と書かれてあった
お礼を言おうとしたが、すでに彼女はいなくなっていた
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「…で、そしたらいなくなってたの?」
「ああ」
「フラグビンビンだね〜」
「てか、私に言ってくれれば、道案内くらいしたのに」
「いやいや、クラス敵にまわすほど強い心はないよ。まあ、遅いかもしれんが…」
「やあ、またあったな 熱也君」
「あんた、ストーカーのセンスあるよ、きっと」
と俺は、後ろから目を覆ってきた 庄子先輩 に拍手する
「それと久しぶり、かな!」
と今度は かな に抱きついてきた
もう、廊下の時の印象がぐちゃぐちゃだ