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SELECT REMEMBERS 【修正前版】(旧「remember」)  作者: ヨベ キラセス
第一章 覚醒
13/42

形勢逆転……の逆転……のそのまた逆転

 逃げる理由を整理しよう。



 攻撃:小石を使っての操作


 使用素材:そのまんま、外の小石


 威力:弱/能力補正によっては強



 つまり



 A:能力補正のかかった小石でダメージ


 B:そのまんまの威力で、俺の《強弱逆転》の補正による貫通



 となる。


 試せばもしかすると



 C:奴の操作が俺の能力で弾きダメージ無し


 D:小石の威力のまま、ダメージ弱



 という選択肢があるが、試してミスると死ぬのだ


 《二分の一》の確率だ。失敗すれば死、あるのみ





「そっちが逃げるなら、こっちに攻撃だ!」


 そう言った下品な美人(面倒なので、『半面』と呼ぶことにしよう)は、かな の方に軌道修正した


「ヤバッ!」


 俺も軌道修正する


 俺が かな の前に着いたのは、小石をキャッチできないところまで来た時だった

 キャッチは出来ないけど



 俺は走馬灯を見た

 記憶の無くなってからの、たったの一週間を



 死ぬのか、やだな〜



 呑気なことを考えていた



 死んだらどうなるだろうか?



 ガスッ



 …………………………………………………あれ?

 俺死んでない!?

 てか、痛くない!?



 …は〜い、解析結果はっぴょ〜〜〜〜〜う


 どゆこと?


 …つまり、ケースC、ってことで〜す



 ケースC、つまり『奴の操作が俺の能力で弾きダメージ無し』、ということだ



 …運がいいね〜、君。あの時 かなちゃん に方向転換した小石、凄く力入ってたからね〜。普通、死んでるぐらいだよ


 つまり、操作系のやつも効果ありか?


 …いやいや、分かりゃせんよ、そんな一回じゃ…………まあ、一回で終わりかな



 俺は 半面 を見る

 顔に表情などない



「あんた、名前は?」

「…………クニコ」

「そうか、クニコさん、あんた一緒に警察さ行きましょう」

「…………あんなところに行くくらいなら」

 立ち上がった。しかし、俺に危害を加えはしないのだろう。加えられないのだから



「…………なら、あなたは駄目でも、他を道ずれにしてでも!」



 ゴゴゴゴゴッ



 地響きがする



 …ゴメン、今度こそヤバイかも


 おいおい…まさか!?


 …ああ、そのまさか…



 マグマに真っ逆さまさ



 それは死ぬだろ!?


「みんな、逃げるぞ!」


 ほったらかしにしていた 宇佐美さん と 吉原さん、かな に言う


「かの がまだ!」


 そうだ、忘れてた

 まだ寝てるらしい



「…吉原さん、かな を連れてって逃げてください」

「…分かった」


 吉原さん は、嫌がる かな を担いで行く


「ネツゥゥゥゥゥ!」


 さすが 吉原さん、もう見えない。そして 宇佐美さん も



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 …さあどうするよ?


 かの は回収したし、脱出するよ


 …この地響きで


 そこをどうにかするさ


 …手伝うよ


 ありがとう




 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 板井 の指示により、何とか家から脱出出来た



 …あの門を出れば安全だ



 門には三人が待っていた



 …ラストスパート!


 分かってるって!



 猛ダッシュ



 ヒュン!



「ノワッ!」

 俺はよけた

 何を?

 石ころ!


「…てことは」


 振り返ると、案の定 クニコ がいた



 …急げ!時間がもう…

「ネツ!」

「熱也様!」

「少年!」


 四人もうるさいな


「かな、受け取れ!」


 俺は投げた

 何を?

 かの を


「え…うわわ!」


 何とかキャッチ!


「ナイス!」

「ネツ、まさか!」

「そうさ、足止めさ」


 もう死ぬ覚悟はできた


「最後に確認したい。クニコさん、あんた何故俺を殺しに来た?」

「…………」

「……そうかい」


 もう、心はないのかもしれないな



 …また死ぬ気か!?


 またとはなんだ!?


 …いいから門通れよ!


 無理だ


 …何故!?


 こいつは道ずれ無しにしにはしないさ



 声は途絶えた


 もうしまいか



「…おしまいは、私だけよ」

「!?」


 声の主はすぐ目の前に来た



 綺羅さんだ



「あんた、死んで」

「ないわよ、失礼しちゃう」



 と、クニコ に向かって手を出す



「そして、お別れよ」

「そうそう、あいつとは」

「いえ、私ともよ」


 はあ?


 宇佐美さん が声を出す


「綺羅様!まさか」

「そのまさかよ、宇佐美」

「綺羅様!」


「だって私の、私達の能力『複雑怪奇』のレプリカですもの」

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