形勢逆転……の逆転
ドラゴン討伐後
「『四字熟語』!?」
…そう、『四字熟語』
「……『四字熟語』って、あの四字熟語?」
…《一石二鳥》とか、《電光石火》や《大器晩成》、そうそう、最強とまで言われた《天下無双》などの四字熟語
「…う〜ん?」
…まあ、正式名称は『四字熟語意味発揮能力』で、能力者は『四字熟語意味発揮能力者』と言われているのだよ
「…ネーミングセンス無えな」
…全くだよ
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すいませんね!ネーミングセンスなくて!!
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「で、それはつまり」
…つまり、その名の通り『四字熟語』の意味に相違ない能力が発揮できるのさ
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板井曰く
『四字熟語意味発揮能力』は、今表記されてるものや、過去にあったものなど含めても結構多い。
例えば、最強の『四字熟語能力』であった《天下無双》は、色んな地形での戦闘で弱点がなく、その者に並ぶことができないのではと思わせた程と言う。しかし、18年ほど姿を見していないという。
しかし、『四字熟語』にのらないものもいる
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…よろしいかい?
「オッケーだ。しかし、俺の能力は何だ?」
…ああ、君のはー
ー『強弱逆転』というものだよ
「『強弱逆転』!?そんな四字熟語があるわけ」
…無いさ。だって、君がその『のらないもの』だからさ
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《強弱逆転》とは
その通り、『強弱が逆になる』のであり、それも段階式である。
・Level 0 (現在)
攻撃と判断したものに勝手に反応してしまう。その攻撃が何であれ、能力者の基礎体力より上な力なら弱く、下なら強く反撃さる。
(精神的に弱ってると発動しない時がある)
・Level 1
攻撃が『人』あるいは『人から離れて30秒以上経過していない物』で発動=常時発動
・Level 2
Level 1の継続+自然のものにも効果が追加
等々…
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「…つまり」
…つまり君は、《Level 1》なのさ。そして、『ドラゴン討伐』前は《Level 0》さ
「なんか面倒だな…」
そう、だからこそドラゴンと戦って、挙句にグーパンチ1つで勝利。あり得ないと思ったが、まあ、そうなるさ
「でも、《Level 0》なら安全だな」
しかし、返ってきたのは冷たい答えだった
…はあ?自力で《Level 0》には戻せはしないよ。《Level 1》なら安全だけど
「お、おい。冗談はやめろよ。だって、それじゃ…」
無差別に相手を傷つけてしまうのじゃないか!?
…そうだよ、君次第では
「なあ、方法は?」
…今はないさ。ただ、そういう『無効化装置』があるらしいし、Level は0〜2ではないから、強くすれば操作だって出来るさ
「気楽に言ってくれるな、お前は」
…だって、他人事だもの
お前が Level 上げたんだろうが!と思うが、どの道そうなるのだと頭で言い聞かせて、諦めた
…そうそう、諦めも大事だよ
「お前が言うな!!」
あれ、目がかすんできたぞ
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そして、目が覚め(実際には瞬き一つの間の話らしいが)、今、形勢逆転となった、に至る。
「…知ってたのですの?」
「ああ、ついさっき教わった。まあ、後ろの3人を除いて」
予想どうり、何のこと、な顔の3人がいた。いや…
「いや、宇佐美さん は知ってたようだ」
驚き、しかし何か知ってての顔の メイド長はすぐにいつも通りの顔に戻っていた。さすが、『ポーカーフェースの達人』と戦ったことがあると噂されたことがある人の顔だ。
「で、どうするか?続けるなら相手になるけど、この家の人の迷惑になるから外行くぞ」
「………………」
「おい、どうするんだよ」
「………………………」
「おいって!…大丈夫か?」
「………………………………ククッ」
「!」
俺は何故か後ろへとんでいた。危険と本能が言っているからだ。
「そうさ、私も能力者さ。でも、レプリカの力だけど、あんたならこれでどうかしら?」
…こりゃ、マズイね
そんなにか?
…まあ、そうね。だって……
君には効果あるものが駐留してるもの
「マジで!?」
上を見ると、刃物ではないが、小石が浮いていた。小石なので、普通の人はそう痛くはないが
この場合は?
…外からの物ですし、駐留となると、どっちかで危険かな〜?
嘘だろ!?
…まあひとまず
「逃げろォォォォォ!!」