フェイズ7
お待たせしました。
これで第一話は終幕です。
「ギネビアさんで止めですっ!」
ギネビアの攻撃で俺のライフは0になった。
「負けたー!」
そう言って俺は机に突っ伏すが、すぐに姿勢を正す。まだ、試合は終わっていないのだ。
『ありがとうございました!』
俺たちはお互いに礼をしてこの試合は終わりを告げた。
「どうだったかな? 初めての勝負は」
「楽しかったです。またやりたい!」
さっきの机で梓さんと花園さんが先ほどの勝負の子と話している時、俺は別の机で自らのデッキを広げていた。
「やっぱ、アリスは強いか……。どうやって勝てるようにしよう……」
一人で反省会である。ついでに突っ伏した時にカードが飛んで行ってしまっていないかを確かめる。
「何で『あのカード』を出さなかったんだい?」
話が終わったのか、梓さんがこちらに来ていた。花園さんはあの後来た、二人の先輩と話しているようだ。
「4枚投入しても引かないこともある。それは梓さんも分かっていることだろう?」
「そうだね。でも、私の勘だが君は『あのカード』を引いていたんじゃないのか」
「……………………」
俺は口を閉ざす。なぜなら確かに引いていたからだ。だが、カードには相性というものもある。『あのカード』は確かに花園さんの使っているデッキと相性がいい。だが少々癖が強いのだ。だからこそ、対応力の高いメイルシュトロームを出したわけだが。
「さて二人とも、結果は合格。私たちはあなたたち二人を正式に部員として歓迎しよう。これからよろしく頼む。目指すは大会の優勝!」
『はい!』
「それでは明日また部室に来るように、これにて解散! ……と言いたいところだが、3人はこの後も残って勝負をするのだろう?」
『当然』
俺と先輩たちの声が重なる。
「私もだ。花園さんはどうする?」
「では、よろしくお願いします」
こうして一日が過ぎていく――。