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セイクリッド・ブレイカー  作者: あすぎめむい
第1話 始まり VS先陣の聖騎士
8/31

フェイズ6

「私の『メインステップ』です。《小さな騎士姫 ギネビア・フラーレン》をセットします。その後、ルビーで旅人を攻撃します」


 ルビーのパワーは2、旅人のソウルが2枚捨て札される。


「そして、《聖騎士 セイクリッド・アリス》で旅人を攻撃です!」


 《桜の街の旅人》のソウルは2、対して《聖騎士 セイクリッド・アリス》のパワーは3.旅人を倒すことができる。


 だが、それだけではない。アリスにとってはアタックそのものが重要なのだ。


「アリスが攻撃する前に……、梓先輩、このカードは今使えますか?」


 梓さんが花園さんの手札を覗きこむ。本来これはダメなんだけど花園さんは初心者だから仕方ないだろう。


「大丈夫だ、出来るぞ」


「では、攻撃するときに《勇気の剣》を使用します」


 《勇気の剣》 色:黄 スキルカード コストX


 効果:[速攻(自由なステップ時)] このカードのコストは支払ったコストに等しく、自分のユニット1体から1コストしか支払うことができない。


 このカードのコストをお互いに確認し、自分の場または待機ゾーンの自分の所属:セイクリッド・ナイト1体にソウルとして置く。


「えーっと、ルビーとアリスから1コストずつ、《流星の騎士 シルバースター》に置きます。そして《聖騎士 セイクリッド・アリス》の効果! コストを3支払うことで、そのコストを自分の待機ゾーンにある所属:セイクリッド・ナイトに振り分けておくことができます。さらに、この効果で出撃コストとソウルが等しくなったユニットをすぐに出撃させる……だそうです」


 ルビーはアリスのコストを肩代わりすることができる。花園さんはアリスから一つ、ルビーから二つ支払ったコストを全てシルバースターに乗せた。これで、シルバースターの出撃コストと等しくなる。


「出撃コストが8になった、《流星の騎士 シルバースター》を出撃させます」


 《流星の騎士 シルバースター》 色:黄 所属:セイクリッド・ナイト コスト8 パワー8


「このタイミングで大型のユニットか……、しかもアリスの攻撃で旅人は捨て札される。夢咲君、この状況、君ならどうする?」


 アリスの攻撃でソウルが無くなった旅人は捨て札された。俺の身を守るものは何もない。


「花園さん、俺の場にユニットがいないよね? この場合、花園さんのユニットは直接攻撃できるんだ。その場合、俺はライフからパワー分のカードを待機ゾーンにいるユニットに置く。その後、ライフのカードがすべてなくなった方の負けになる。花園さん、攻撃する?」


「はいで。《流星の騎士 シルバースター》夢咲君を攻撃します」


 この攻撃で俺のライフは残り7となった。流石大型、パワーが高い。だけど。


「『ソウルステップ』です。私は一体ずつソウルを置いて、さらに《宝玉の円卓》の効果でケイにもう一枚ソウルを置き、私の番は終了です」


「俺のターン。手札が五枚になるようにドローするよ。そして『出撃ステップ』。さっきの攻撃で失ったライフは待機ゾーンのユニットに置かれる。俺はその全てを2体の《竜王 メイルシュトローム》に置いた。……《竜王 メイルシュトローム》2体を出撃!」


 《竜王 メイルシュトローム》 色:青 所属:アクア・ドラゴン コスト7 パワー5


 効果:[自動(出現時)] このカードが出撃した時、このカード以外の全てのユニットからソウルを一枚捨て札する。


「俺はメイルシュトロームの効果を発動。このユニット以外の全てのユニットから、ソウルを一枚捨て札する。……ルビーには消えてもらおうか」


「ルビー! ……ルビー、ありがとう」


「そしてもう一体のメイルシュトロームの効果! もう一枚ソウルを捨て札してもらう!」


 これで、俺のメイルシュトロームのソウルは6ずつ、花園さんの場のアリスは2、シルバースターは6だ。これでもう、アリスの能力は使うことができない。


「さあ、メインステップだ」


「夢咲君、乗ってきたね。……それが裏目に出なければいいのだが」


 外野の梓さんがうるさい……。ジャッジやルールを教えているから全然いい人なんだけど。


「俺は左のメイルシュトロームで《流星の騎士 シルバースター》を攻撃!」


 普通ならば、ここでアリスを攻撃する。その場合、アリスを倒すことができるからだ。だが、今場には《流星の騎士 シルバースター》がいる。このカードを倒さねば次のターンにメイルシュトロームの内一体が倒されてしまうからだ。


「……? 梓先輩、少しよろしいでしょうか?」


「どうしたんだ? 花園君」


 梓さんが近くにあった机から降りて、花園さんの方に行く。どうやらカードの使い方が分からないみたいだ。……なんで俺に背を向けて話しているんだろう。


「ああ、問題無く使えるよ。がんばるんだ、花園君」


「はい! ……では、メイルシュトロームが攻撃したので速効を持つスキルカード《君を守る盾》を使用します! シルバースターから3コスト支払って、メイルシュトロームの攻撃を代わりに私が受けます」


 《君を守る盾》 色:黄 スキルカード コスト3


 効果:[速攻(自由なステップ時)] 相手のユニット一体の攻撃は、このカードを使用したプレイヤーが受ける。


「攻撃を自分が受けるカード!? ……だけど、メイルシュトロームはもう一体いる! 右のメイルシュトロームでもう一度、シルバースターに攻撃!」


「夢咲さん、プレイヤーが受けたダメージは、ソウルとして待機ゾーンのユニットに置くことができるんですよね? ……私は、全てのソウルを《繋ぐ騎士 シリシス・ケイ》に置きます。そして、《繋ぐ騎士 シリシス・ケイ》の効果、インターセプトを使用します!」


 インターセプトとは、その効果を持ったユニットのソウルがコストと等しい時、相手のアタック時に直接出撃させることができる能力だ。そしてこの効果を持ったユニットは、相手の攻撃を阻害させたり軽減させる能力を持ったものが多い。


「《繋ぐ騎士 シリシス・ケイ》を出撃させます。ケイの効果で、メイルシュトロームの攻撃を代わりにケイが受けます!」


 《繋ぐ騎士 シリシス・ケイ》 色:黄 所属:セイクリッド・ナイト コスト7 パワー3


 インターセプト:[対応(相手の攻撃時)] 待機ゾーンにあるこのユニットのソウルがコストと等しい時、相手のアタック時に出撃させることができる。


 このユニットがインターセプトの効果で出撃した時、相手のユニット一体の攻撃は、このカードが受ける。


 ケイのソウルは7、対してメイルシュトロームのパワ-は5。攻撃を耐えきってしまった。


「くっ……。俺は3体目のメイルシュトロームをセット。『ソウルステップ』、俺のユニットすべてにソウルを一つずつ置き、さらに《龍水の滝》の効果で《竜王 メイルシュトローム》にソウルを一枚置く。これで俺の番は終了だ」


「私の番です、カードを五枚引きます。『出撃ステップ』では何もできないので『メインステップ』です。まずは《流星の騎士 シルバースター》でメイルシュトロームを攻撃します」


 これで一体のメイルシュトロームが倒されてしまった。


「私はここでもう一度、《勇気の剣》を使用します。3枚のユニットからコストを一つずつ支払い、全て《聖騎士 セイクリッド・アリス》に乗せます」


 これでアリスのソウルは5、もう一度効果が使用できるようになってしまった。


「《繋ぐ騎士 シリシス・ケイ》でメイルシュトロームを攻撃します!」


 ケイのパワーは3、メイルシュトロームのソウルは5だが、このままだとアリスの攻撃で倒されてしまう。しかも今のアリスは攻撃ができる状態。ここは……。


「させるかっ! スキルカード《荒波の盾》を使用! この効果で俺の青のユニットにシールド2を与える」


 シールドとは書かれている数字の分まで相手からのダメージを軽減することができる効果だ。《荒波の盾》のコストは2。効果でケイの攻撃もアリスの攻撃も1ダメージで済み、メイルシュトロームは耐えることができる。


「させませんっ! 《荒波の盾》に対してスキルカード《ディスペル・ストリーム》を使用します! このカードのコストはセイクリッド・アリスと名のつくユニットからしか支払うことができない代わりに、このカードの発動時点で効果を発揮している全てのスキルカードの効果を無効にして破壊します!」


 《ディスペル・ストリーム》 色:黄 スキルカード コスト3


 効果:[速攻(自由なステップ時)] このカードのコストは『セイクリッド・アリス』と名のつくユニットからしか支払うことができない。


 フィールド上に存在する全てのスキルカードの効果を無効にして捨て札する。


「なっ!!? ……メイルシュトロームのソウルは残り3……対してケイのパワーは3。……倒される、か」


 これで俺の場にはユニットが一体もいなくなってしまった。


「《聖騎士 セイクリッド・アリス》で夢咲さんに攻撃します。そしてアリスの効果……? 効果を使うとアリスのソウルが無くなるのですが、大丈夫ですか?」


「花園君、そこは問題ないぞ。このカードゲームのルールでは『今やるべき全ての行動が終わった時点で、ソウルが0になったユニットの効果が発動するか確認した後、そのカードを捨て札する』だから、攻撃が終わった後でアリスは捨て札されるぞ」


「ではアリスの効果で《小さな騎士姫 ギネビア・フラーレン》にソウルを3枚置き、出撃させます。その後、夢咲さんに3点のダメージです」


 7→4 アリスは捨て札されたが、花園さんの場にはギネビアがいる……、あのカード自身のパワーは2だが効果は……。


「今までありがとう……、アリス。……さて、《小さな騎士姫 ギネビア・フラーレン》で夢咲さんに攻撃します。ギネビアさんは攻撃時、他のセイクリッドナイトからコストを支払った分だけパワーを上げることができます。ケイとシルバースターから1コストずつ支払い、パワーを2アップさせます! ギネビアさんでと止めですっ!」


 俺の場には1体もユニットがいなく、待機ゾーンにインターセプトもいない。俺は花園さんの攻撃を甘んじて受けた……。

 カード紹介。


《聖騎士 セイクリッド・アリス》


 効果:unknown


 黄色の国の騎士団の中で『救世主』の意味を持つ、『セイクリッド』の名を持つ少女。


 出身は黄色の国だが、赤の国『紅葉の街』で育った経歴を持ち、魔法に対する高い耐性を持つ。


 なぜ、彼女に『セイクリッド』の名が与えられたのか、知る者はほとんどいない。


 あとがき


 あすぎです。


 やっと試合が終わりました。後はエピローグを残すのみです。


 ……次回からは、簡単に読めるように努力します。

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