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セイクリッド・ブレイカー  作者: あすぎめむい
第1話 始まり VS先陣の聖騎士
6/31

フェイズ4

 花園さんは一体どんなカードを使うのだろうか。


「私の番です。『ドローステップ』」


「花園さんの手札は4枚だから1枚ドローだ」


「はい。1枚引きます」


 慣れない手つきでデッキからカードを引く。


「えっと、次は『出撃ステップ』……でも何もないと思います。えっと……『メインステップ』ですね」


「まあ、最初はユニットのセットしかできないが……」


 そう言うと、花園さんは少しあわてて。


「わ、分かってます!」


 と言い返してきた。


「ユニットをセットします。《赤い魔女の騎士 ルビー》と《青い魔女の騎士 サファイア》をセットして、そして――」


 2枚のセイクリッド・ナイトのカードが待機ゾーンに出る。どうやらもう1枚カードを出したいらしい。



「――《聖騎士 セイクリッド・アリス》をセットします」



 俺は思わず席を立ってしまった。梓さんがニヤニヤと笑みをこぼしている。


「どういうことだ!? なんで、なんで花園さんが市場に流通していない(・・・・・・・・・・)《聖騎士 セイクリッド・アリス》を持っているんだ!?」


 花園さんは何が何だか分からないという様子でおろおろとしている。


「私、ただ……このデッキ、あの……」


 彼女の言葉が支離滅裂になっていた。


「どういうことだ。梓さん!」


 振り返ると……、梓さんが、これでもかという、面白いいたずらを見つけたような笑みで。


「気づかないか? 彼女……花園さんのデッキのほとんどが前の|日本一決定戦個人戦優勝者・・・・・・・・・・・・・・が使用したカードだ」


 梓さんを無視して花園さんの方を向く、なぜ初心者が誰にも真似できないはずの前環境最強デッキを持っているんだ?


「嘘だろ……、花園さんどういうことだ?」


「私にも分かりません……、夢咲さん、梓先輩、話についていけないので教えてください」


「花園さん、《聖騎士 セイクリッド・アリス》は完全限定生産のカードで、とある理由で伝説のカードになっているんだ」


「どういう伝説なんですか?」


「ああ、《聖騎士 セイクリッド・アリス》が配布された大会全ての優勝者が女性なんだ。そしてその後、《聖騎士 セイクリッド・アリス》全てが行方不明になっっている。誰も使えなかったんだ、前の日本一決定戦までは……」


 花園さんは勝負を中断して俺の話に聞き入っていた。


「そこに現れた、セイクリッド・ナイト使いの女性。彼女は伝説となってしまった《聖騎士 セイクリッド・アリス》を駆使して日本一になった。……というより、誰も対策を取れない初見殺しだった」


「……なんでここにあるのかは今は置いといて、勝負の続きをしましょう」


「そうだな、今は目の前の勝負に集中しようか」


 そうは言っても、俺の手の震えは止まらなかった。怖いわけじゃない、俺も一度あの人(・・・)に負けている。


 花園さんがもしこれから、あの時の……、あの人以上に強くなったら。


「それでは『ソウルステップ』です。ルビーとサファイアにソウルを1枚ずつ置きます。これで私の番は終了です」


 そして、爽の第二ターン。爽はメインステップで《桜の街の旅人》をセット、ユニットにそれぞれ1枚ずつソウルを置いてターン終了。


 対して 花園さんの第二ターン。彼女はメインステップで《流星の騎士 シルバースター》をセット、爽と同じくユニットにそれぞれ1枚ずつカード置いてターン終了。


 第三ターン、お互いソウルを増やすのみでターン終了。


 そして第4ターン、爽が動き出す。


「俺のターン、手札が5枚になるようにドローする。そして『出撃ステップ』。このステップではユニットのソウルがコストと等しくなったユニットを場に出せる。俺は《桜の街の歌姫》を出撃!」


 《桜の街の歌姫》 色:青 所属:アクア・アクター コスト3 パワー1


 効果:[通常(自分のメインステップのみ)] コスト1 この効果のコストを自分の待機ゾーンにある、名称に《桜の街》と名のつく、ユニット一体にソウルとして置く。


「夢咲さん、訊きたいことがあります」


 見ると、花園さんは困惑している。


「カードに書いてあることがよく分からないのです」


「そう言えば説明してなかったな。まず、カードには赤、青、緑、黄、黒の五色に分かれている。花園さんが使っているカードは黄色だね。左上に書いてあるのがコストで、その下がパワー。どちらも後で説明するバトルに使う。所属はそのユニットがどんなカードかを表す。花園さんのは騎士のカードたちだ。そして効果、ユニットたちの能力だけど……後で説明するから」


 そのまま俺はメインステップに移行する。


「じゃあ、効果の説明だ。まず[]の中に書かれているのはタイミング、例えば通常は自分のメインステップにしか使えない。これは効果にしっかりと書かれているから見れば分かるはずだ。じゃあ、《桜の街の歌姫》の効果を2回使うよ。ソウルを2枚、《桜の街の歌姫》から《桜の街の旅人》にソウルを2枚移すよ」


「これで次の夢咲さんの番で《桜の街の旅人》が場に出るのですか……」


「さらにエリアカード《龍水の滝》を使用。このカードは、ソウルステップの終了時に所属:アクア・ドラゴン一体にデッキの上からカードを一枚ソウルに置くことができる。最後に《桜の街の剣士》をセット。そしてソウルステップ、ユニットに一枚ずつソウルを置き、《龍水の滝》の効果で《竜王 メイルシュトローム》にもう一枚ソウルを追加。さあ、花園さんの番だ」

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