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セイクリッド・ブレイカー  作者: あすぎめむい
第2話 日常 VS黒衣の人狼
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第2話 TCG同好会の日常  VS黒衣の人狼

・今日のカード紹介。


爽「さて今回から始まりました、今日のカード紹介。お相手は俺、夢咲 爽と――」


みき「――初心者ですけど頑張りますっ。花園 みきがお送りいたします」


爽「さっそく行くぞ。紹介する今日のカードは、《幸せの葉(ハッピークローバー) 四葉》だ!」


みき「コストは4、パワーは1。可愛い女の子のカードですね」


爽「でもこのカードは緑の仲間たちを癒す効果を持っている。可愛いからって舐めていると痛い目見ると思うぞ」


みき「私も使いたいな……」

「うぐぐぐぐぐ……」


「これは僕のだ……」


 目の前で先輩二人がにらみ合っている。


 ここは、TCG同好会部室。花園さんと放課後に練習に来たのはいいのだが。


 鷹野先輩と大野先輩がテーブル中央にある巨大メロンパンを前ににらみ合っていたのだ。


 前に説明し忘れていたが、鷹野先輩と大野先輩は俺たちの同好会の先輩であり、梓さんの幼馴染だ。


「こうなったら……」


 二人のどちらかが、そう呟いた。


『カードバトルだっ!!』






「だ、大丈夫かな。先輩達……」


 夢咲さんはパニックになっている。


「またか、二人とも……」


 扉の後ろでは梓さんが呆れていた。


「梓さん、これは一体……」


「ああ、二人とも昔からよく喧嘩するんだよな。『喧嘩するほど仲がいい』とはいうが最近は良く分からないケンカも増えたものだな」


 はあ、と梓さんはため息をついた。


『勝負っ!』


 最初のターンはお互い自分の場を固めるだけで何もなし。


 2ターン目、鷹野先輩のターン。


「《若葉の街の迷い子》を出撃!」


 《若葉の街の迷い子》 色:緑 所属:ワイルド・レジデンツ コスト2 パワー0


 効果:[自動(このカードのアタック時)]【加速】 このカードが攻撃でダメージを与えたとき、自分のデッキの上から一枚を自分の待機ゾーンのユニットにソウルとしておく。


「《若葉の街の迷い子》で攻撃! 直接攻撃成功により1ドロー!」


 鷹野先輩のデッキは見た感じ緑の速攻デッキのようだ。


「夢咲君」


 声の方向に顔を向けると花園さんが不思議そうな顔をしていた。


「なんでダメージを与えられていないのにカードを引けたの?」


「そういうことか。直接攻撃時の特典である1ドローはダメージを与えられたかに関係なく引けるんだ。だから、鷹野先輩はパワー0のユニットで大野先輩を攻撃したんだよ」


「へぇ~、奥が深いんだね。……じゃなくて深いんですね」


 その言葉に訂正する必要があったのかという突っ込みをしたかったがひとまず置いておく。


「《幸せの葉(ハッピークローバー) 四葉》を置き、このカードと《若葉の街の剣士》にソウルを置いてターン終了だ」


 次のターンで《幸せの葉(ハッピークローバー) 四葉》は出撃することができる。鷹野先輩のほうが一歩有利か?


「おれのターン。5枚ドローして、《柊の街の偵察兵》を出撃!」


 《柊の街の偵察兵》 色:黒 所属:サイキック・チャイルド コスト3 パワー1


 効果:[通常(自分のメインステップ)] コスト1 この効果のコストを自分の待機ゾーンにある、黒のユニット一体にソウルとして置く。


 《桜の街の歌姫》の黒版のカードだ。大野先輩は黒デッキを使うらしいな。


「行くぜ。《柊の街の偵察兵》で迷い子を攻撃!」


 迷い子 ソウル2→1


「《氷牙フェンリル アイスエイジ》と《黒衣の人狼 イクリプス》にソウルを置いてターンエンドだ」


「大野先輩は大型のカードを使うデッキか……」


 そしてターンは鷹野先輩へ。


「僕のターン、5枚ドロー。『出撃ステップ』にて《幸せの葉 四葉》を出撃!」


 《幸せの葉(ハッピークローバー) 四葉》 色:緑 所属:ワイルド・レジデンツ/ヒーロー コスト4 パワー1


 効果:[反応(自分のターン終了時)]コスト1 ターン終了時、コストを払ってもよい。払った場合、自分の他の緑のユニットすべてにデッキの上から一枚をソウルとして置く。


「四葉で偵察兵を攻撃します」


 偵察兵3→2


「迷い子で偵察兵を攻撃します」


「なんでですか? パワーが無いユニットで攻撃しても、ダメージは……」


 花園さんがそんなことを呟くと同時に鷹野先輩は手札から一枚のカード見せる。


「そして速効タイミングで、《若葉の鼓動》を使用。迷い子のパワーを+1する」


「コスト0のスキルカードですか!?」


 偵察兵2→1


「僕は《若葉の街の狩人》をセット。『ソウルステップ』にて2体にソウルを置いて、僕の番は終了する――」


「夢咲君、夢咲君。先輩方の勝負が早過ぎて追いつけません。教えてくれますか?」


「じゃあ、簡単に……は説明できないけどまあ、頑張るよ。今は鷹野先輩の3ターン目、鷹野先輩の場には迷い子と四葉。大野先輩の場にはソウルが残り1の偵察兵がいる。今は鷹野先輩の方が優勢かな……。とはいえ大野先輩の場にはイクリプスがいるからな……」


 あのデッキの始動ペースは遅い。まだまだ大野先輩にもチャンスはある。


「――僕のターンが終了する時、四葉の能力が発動する。1コストを支払い、デッキからカードを一枚、迷い子の上にソウルとして置く。『緑の願い』! ……これで本当に僕の番は終了だ」


 これで偵察兵の攻撃では、迷い子を倒すことができなくなった。


「くっ……、俺のターンだ。5枚引いて、出撃はスキップする。『メインステップ』、偵察兵で四葉を攻撃!」


 四葉3→2


「エリアカード《奈落の城》を配置し、ソウルフェイズ。手札を全て、そして《奈落の城》の効果でデッキからカードを一枚、イクリプスの上に置きターン終了」


 大野先輩のイクリプスが臨戦態勢に入った。ここから反撃だな。


「僕のターン、5枚引く。『出撃ステップ』を飛ばして『メインステップ』。四葉で偵察兵を攻撃!」


「させるか! 四葉の攻撃時にイクリプスのインターセプト! イクリプスを場に出撃させる!」


 《黒衣の人狼 イクリプス》 色:黒 所属:アダプション・ビースト/ヒーロー コスト7 パワー4


 効果:[反応(相手のアタック時)]【インターセプト】 相手のアタック時、待機ゾーンにあるこのカードのコストとソウルが等しい場合、このカードを出撃させることができる。


 [自動(相手のアタック時)]【守護】 このカードが場に存在する限り、相手は【守護】を持たない自分のユニットを攻撃できない。


 [反応(このユニットにソウルが存在しない場合)]コストX このユニットにソウルが存在しない場合、自分のユニットからコストを支払ってもよい。支払った場合、ライフからカードをX枚選びこのカードのソウルとし、コストを払ったユニットを全て捨て札する。


「なら、イクリプスを攻撃する!」


 イクリプス7→6


 だけど、これで偵察兵を倒すことは難しくなった。しかも相手の場にはパワーが4のユニットが登場した。しかも迷い子にパワーは無いので追撃することもできない。


「エリアカード《新緑の大地》をセットして、『ソウルステップ』。手札から3枚、デッキから一枚を剣士のソウルに置き僕の番は終了」


「さあ、ここからが俺のパーティだ……」


 大野先輩の反撃が始まる!

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