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今、君に恋をしよう  作者: 十色
2/5

*1

柚葉ゆずは~っ、聞いてー!!」

「ん~?どうしたの、みーちゃん」



昼休み。

給食の片付けもすっかり終わった教室で、ボンヤリ考え事を

していると、昼休み始まりのチャイムが鳴ったとき、

教室から急いで出て行った、みーちゃんが戻ってきた。



「さっきね、三木君に告白したら……OKもらっちゃったの~っ」

「おー!!良かったじゃん!!」



みーちゃんはニコニコと満面の笑みで、キャーキャー言っている。

……こんな光景を、入学してから今日まででいったい何回見たこと

だろう。

みーちゃんはずいぶんな恋愛体質で、すごく惚れやすく、イケメンなど

にもすぐ食いつく。

だけど、一回一回の恋は長いと言えるものはなく、早いときは付き合ってから

2週間で別れたこともあった。



そんなみーちゃんの今度のお相手の三木君は、隣のクラスの人で

これがまた結構なイケメン。

3日前くらいから、みーちゃんは気になってたらしく、

すぐ告白して、すぐOkをもらってきた。



(好きになってすぐに告白に移せるっていう、行動力には

脱帽するけど……)




「それでね、今度バスケの試合があるから、応援に来てくれ

 だって!!チョー嬉しい!」

「おー、いいじゃんいいじゃん」

「で、1人で行くのもあれだし……柚葉、ついて来る気ない?」

「え~、だよー。カップルの邪魔したくないし……」



(どうせ、僕がいても2人の世界に入るくせに……)



ハッキリ言って、こういう誘いは苦手だ。

恋をしている女の子って、すごくキラキラしてて良いな~って

思うけど、僕をそれに巻き込むのはやめて欲しい。



「え~!!ついてきてよぉ」



と、みーちゃんが言うと同時に予鈴が鳴った。

みーちゃんは納得がいかないような顔をしていたが、

渋々自分の席へと向かっていった。





のんびりとした、社会科教師の声が教室に響きわたり

昼下がりの教室がゆるい雰囲気に包まれる。

この教師の声はたいへん独特で、ひどく眠気を誘う。


チラリと辺りを見回すと、居眠り男子が3人(あ、女子1人)。

真面目に授業を聞いている人は、何人もいなさそうだ。



かく言う僕も、あんまり真面目に聞いているとは

いえないと思うけども。









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