不明な男さん! シカトはいけないでしょ! せめて何か言ってよ!
ーーー二組教室ーーー
石川 まさかそぶかわちゃんに『あれ』がいたとはね……。(小指を大げさに見せる)
曽武川 うるさいな! 人の勝手でしょ!!
石川 まあ、そぶかわちゃんは可愛いし、モテるし……。いいなぁ。
曽武川 あんまり声を大きくするんじゃないって!
石川 皆!! あのね、そぶかわちゃんね、実は……。
曽武川 ああーーー!!!! 気にしないで! 関係ないよ! かってに石川が言ってるだけ。
石川 『彼氏』いるんだって!!
生徒4 え?
生徒5 誰?
石川 それは……1組の……(曽武川ににらまれる)誰だったけなぁ〜。
生徒4 ……大至急ヒットマンを雇ってこい。
生徒5 ……俺が直々に殺る。
生徒6 ……死体処理は任せろ。
曽武川 ちょっと!
石川 まだ誰とは言ってないけど。
曽武川 でも……。
石川 大丈夫だって。男子は情報網が薄いんだから。
生徒5 誰に制裁を加えればいい?
生徒4 いや、それがわからんのだ。だが、1組の『誰か』らしい。
生徒5 ああ畜生! 適当に片っ端からぶち殺してやる!!
生徒6 死体処理が間に合わねーよ!!!
石川 平和だねぇ。
曽武川 これを平和と答えられる君はどこかイカれてる……。
ーーー廊下ーーー
田辺 マジで変質者だったらどうする?
不動 声をかけて逃げればいいだろ?
斎藤 あ、いいこと考えた!
田辺 なんだ?
斎藤 ほら、これを持って……。(近くにあった野球部のバットを取り出し手に持つ)
不動 それで……?
斎藤 三人でバットをもって脅せば相手も言うことを聞いてくれるでしょ? 幸いここには不動君という柔道部の力持ちもいるわけだし……。筋肉を見せれば余裕よ!!
田辺 そうか!! お前頭いいな!!
不動 よし、そうと決まればさっさと先を急ごう!
ーーー二組教室ーーー
曽武川 石川ーー。もうやめてよ!!
石川 困ったそぶかわちゃんも可愛い!!
曽武川 この! 変態!!
キャーーーーーーー……。
二組生徒 …………。
生徒4 ……何?
生徒5 ……さあ?
石川 単なるイタズラじゃないかしら?
生徒4 うん、そうだよな。
生徒5 そうに決まってるだろ!
二組生徒 ……アハハハハ……。
曽武川 石川、ヤバイよ。絶対何かあるよ!
石川 ったく。どうしたの? そぶかわちゃん?
曽武川 普通あんな悲鳴あげないよ。
石川 だから、誰かがふざけて叫んだのよ。
曽武川 本当にそうかな?
石川 そうよ。そぶかわちゃんは気にしすぎ!
ーーー廊下ーーー
(金属バットを持った三人が歩いている)
不動 よし、ここまできたんだ。さっさと教室帰ろうぜ。
田辺 うん、そうだな。もういいだろ。
不動 あの遅刻した生徒も気になるしな。
田辺 確かに……。あいつ大丈夫か? こっちより心配だな。
不動 よし、帰るぞ。
田辺 おい、斎藤。帰るぞ!
不動 斎藤!!
斎藤 …………あれは何?
不動 どうしたんだ?
斎藤 あそこに血だらけの人がいるよ!!
田辺 (斎藤の行った方角を見る。途端腕に力が入った)
不動 (田辺同様)
田辺 何かあればすぐに逃げるぞ。
斎藤 わかったわ。
不動 わかった。
一同 (血だらけの人に近づく。そこであることに気づく)
ーーー二メートルはあろうかという赤く濡れた地面の上で、人が背を丸めてうずくまっている が、よく見ると、うずくまっているのではない 倒れている人に覆い被さるように馬乗りになっていたーーー
不動 おい!!!
田辺 聞こえてんのか!!!
斎藤 何やってんの!!!
不明な男 (ゆっくりと田辺の方に振り返り、立ち上がった)
田辺 なんか言えよ!!
不明な男 (両手を前に伸ばし、早歩きで田辺に近づく)
田辺 (驚いて金属バットを構える)止まれ! じゃないと殴るぞ!!
不動 このままでは本当に相手を殴り倒さなければならないぞ!
田辺 じゃあどうしろって言うんだ!
斎藤 一度教室へ逃げましょ! なんだか嫌な気がするわ。
田辺 でも、こいつ……。
不明な男 (口から血を流している)
不動 おい! はけるぞ!!(田辺の背中をおす)
生き延びるためのルール
その3
奴らに説得は通用しない。
はたしてゾンビには知性が残っているのか……。




