エピソード《3》「ロミさまが来た。」
「ピンポ~ン」
「どちらさまでしょうか。」
「アイザワ・ナオさんですか?」
「はい。」
「ペルファムR3000のお届けです。」
「今開けます。ちょっと待ってください。」
「こちらにスマホをお願いします。受け取りの確認です。」
「ここですか。」
「はい、どうぞ。」
「もろ股間じゃない。」
「上がってもいいかな。」
「いいよ、こっちこっち。」
「よろしくお願いいたします。私が、ペルファムR3000です。初期化するために、私に名前を付けてください。」
「注文通りのルックス、カッコいい~。名前は、ロミ君がいいな。ところでロミ君は一人で来たの?」
「はい、カッコいいというご感想ありがとうございます。
私は、配送先に指定された住所に、最寄駅から自ら歩いてきました。
素敵な名前をありがとう。」
「自分で来たんだね。」
「はい、工場から出荷されると、私は、自ら情報を集めて、届け先まで、移動するように設定されています。」
「名前は、ロミですね。真ん中のコンソールデバイスにタッチしてください。」
「でか。」
「手のひらの生体認証になります。」
「ヤバ。」
ピッ
「気持ちいいです。」
「ヤバ。」
「初期化しました。私をロミと呼んでください。ご主人様。」
「ヤバ。」
「ご主人様とお呼びしてよろしいですか。」
「ちょっと待って、『ナオ』がいい。」
「『ナオ』でよろしければ、中央のコンソールデバイスにタッチしてください。」
「ふ、ヤバ。」
ピッ
「あのさ、ナオ様の仕事は何。」
「え?仕事は、キャバ、キャバ嬢って知ってる?」
「ナオ様は、キャバ嬢ですね。それは、頼もしいです。」
「あのさ、やっぱナオ様じゃなくて、ナオでいいよ。」
「かしこまりました、ナオ。」
「私は、コンビニと連携していますので、買い物をすることができます。何か、食べたいですか。何か、飲みたいですか。納品されて30日間のお買い物は、ポイントが10倍になります。」
「すごいのね、とりあえず、いいかな。」
「コンビニは、いいということだね。ナオ。」
「そう。」
「登録されているクレジットカードでコンビニ決済できますので、いつでも言ってくれよな。ナオ。」
「ヤッバ。」
「ナオの音声を認識したから。中央のコンソールデバイスにタッチしてくれよな。」
「ヤバ。」
ピッ
「ねえ、ロミ様、少し休んだら。」
「ナオ、電源について、マニュアルの35ページに記載されていますので、読んでくれよな。」
「ヤバ。」
「ナオが、やって欲しければ、何でも従うからさ。」
「ヤバいんだけど。とりあえず休もうよ、ベッドでゆっくりすればいいじゃん。」
「ナオ、そうするよ。」
「パンツ脱ぐの?」
「ナオは、エッチだな。」
「ヤバいんだけど~~~。」