表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/6

エピソード《2》「ミヒちゃんが来た。」

「ピンポ~ン」

「少々お待ちください。」

「サワダ・ヨシキさんですか?」

「そうですが。」

「ペルファムS3000のお届けです。」

「ミヒちゃんだ。」

「こちらにスマホをお願いします。受け取りの確認です。」

「いいんですか、胸のところですけど。」

「はい、どうぞ。」

「では。」

「上がってもよろしいですか。」

「あ、上がるのね、どうぞ、どうぞ。」


「よろしくお願いいたします。私が、ペルファムS3000です。初期化するために、私に名前を付けてください。」

「初期化ね、名前は、ミヒちゃんがいいな。ミヒちゃんは一人で来たの?」


「はい、私は、配送先に指定された住所に、最寄駅から自ら歩いてきました。素敵な名前をありがとう。」

「そうなんだ。」

「はい、工場から出荷されると、私は、自ら情報を集めて、届け先まで、移動するように設定されています。」


「ミヒちゃん、よろしくね。」

「ミヒですね。右のコンソールデバイスにタッチしてください。」

「胸のここかな。」

「手のひらの生体認証になります。」

「じゃ遠慮なく。」

ピッ


「気持ちいいです。」

「オ~ィ、気持ちいいんだ~。」

「初期化しました。私をミヒと呼んでくださいね。ご主人様。」

「よくできているなぁ。」

「よくできているというご感想ありがとうございます。ご主人様とお呼びしてよろしいですか。」

「ご主人様かぁ。」

「『ご主人様』でよろしければ、右のコンソールデバイスにタッチしてください。」

「ご主人様じゃなくて、ヨシキがいいなぁ。」

ピッ


「ねえ、ヨシキさんの仕事は何。」

「仕事は、ユーチューバーなんだけど。」

「ヨシキさんは、ユーチューバーですね。それは、頼もしいです。」

「あのさ、ヨシキさんじゃかた苦しいので、ヨシキで。」

「かしこまりました、ヨシキ。」


「私は、コンビニと連携していますので、買い物をすることができます。何か、食べたいですか。何か、飲みたいですか。納品されて30日間のお買い物は、ポイントが10倍になります。」

「買い物してくれるんだね、とりあえず、今はいいかな。」

「コンビニは、いいということですね。ヨシキ。」

「そうね。」


「登録されているクレジットカードでコンビニ決済できますので、いつでも言ってくださいね。ヨシキ。」

「わかりましたよ。」

「ヨシキの音声を認識しました。右のコンソールデバイスにタッチしてください。」

「胸のところね、はい。」

ピッ


「さてと、ミヒちゃん、疲れていると思うので、少し休んだらいいんじゃない。」

「ヨシキ、電源について、マニュアルの35ページに記載されていますので、読んでくださいね。」

「オッケー。」

「ヨシキが、こうしてほしいって言えば、それに従うわ。」


「じゃあ、ベッドの上でくつろいだらどうかな。」

「そうするね。ヨシキ。よいしょ、よいしょ。」

「おいおい、パンツ丸見えだよ。」

「ヨシキは、エッチなの。」

「いや、そういうんじゃなくてさ。普通普通。」

「男の普通って、普通じゃないよね。ヨシキ。」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ