第5話:月の裏側へ――月の王との邂逅
いよいよ最後の試練、「月の裏側」へ――かぐや姫の運命が大きく動きます。
第5話:月の裏側へ――月の王との邂逅
「準備はよろしいですか、かぐや様」
ミツキの声は、いつもより慎重だった。
月の裏側――そこは、月の民が最も恐れる禁忌の地。かつて地球との断絶を決定した“月の王”が眠る場所。
「行くしかない。地球に帰るために」
私は、月の塔の裏手にある古代の通路を進んだ。そこは重力がさらに不安定で、空間が歪んでいるように感じた。
◇月の王の神殿
神殿は黒曜石のような素材でできており、空間全体が静寂に包まれていた。
中央には巨大な玉座。そして、その上に座る影――
「……来たか、かぐや姫」
その声は、空間全体に響いた。姿は人間に近いが、目は月のように輝き、背には星のような光が浮かんでいた。
「あなたが……月の王?」
「かつて、地球に裏切られた我らの民を守るため、私は門を閉じた。だが、お前はそれを開こうとしている」
「地球は変わった。私も変わった。今度こそ、繋げられるはず」
「……ならば、証明してみせよ」
王が手をかざすと、空間が揺れ、巨大な幻影が現れた。
それは、かぐや姫の記憶の中にある“地球の拒絶”の象徴――炎に包まれた都市、恐怖に満ちた人々。
「この幻影を越えられるか? お前の心が折れれば、門は二度と開かぬ」
私は幻影の中に飛び込んだ。
恐怖が押し寄せる。拒絶された記憶が、心を締め付ける。
でも――
「私は、もう逃げない!」
胸元のルナ・モスが再び光を放ち、幻影を貫いた。
炎が消え、都市が静かに光を取り戻す。
「……見事だ、かぐや姫」
月の王が立ち上がり、手に“月の鍵”を持っていた。
「お前こそ、月と地球を繋ぐ者。鍵を授けよう」
私は鍵を受け取り、深く頭を下げた。
「ありがとう。必ず、地球に帰ってみせる」
次回予告
いよいよ最終章――「月の門を開け」。
かぐや姫は地球へと帰還できるのか?
そして、地球は彼女を受け入れるのか――?