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プロローグ
気がつくと、私は月にいた。
いや、正確には「月っぽい場所」だ。空は黒く、地平線には青く輝く地球が浮かんでいる。酸素はない。重力も軽い。けれど、私は生きている。なぜか息もできるし、寒くもない。
そして、目の前には一枚の石板があった。
「ようこそ、かぐや姫。あなたは月の民の末裔として転生しました。地球に帰るには、五つの試練を乗り越えなければなりません。」
……は?
私、ただのOLだったんだけど!?
しかも名前が「竹野 かぐや」ってだけで、そんな運命背負わされるの!?
こうして私は、月でのサバイバル生活を始めることになった。