再構築
SCPについては基本知識はあります。これは完全オリジナルです。誤字、脱字がありましたらお手数おかけしますが報告してくださいますと嬉しいです。
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まず1つ。
ここで語るのは本当のことですが、
作り話だと思ってください。
何故なら真実味を持たせるにはあまりにも教訓も救いもないこのお話は、嘘という方がいいでしょうから。
6年前
私が正解など
変わりようのない答えが世界にはあると思っていた頃。
ある事件によって
全てが崩され
再構築された。
私はただただ普通の少女だった頃。
"SCP"という異常存在に遭遇して
私の常識と人生が大きく変わった。
大きく変わったと言っても
元々必然的にこうなると決まっていたのだろう。
No.01
20██年10月17日放課後
私 高校3年生だった
この頃は高校生活の終盤の中間の終わり頃という中途半端な時期だった
そろそろ受験勉強も本気を出さなければと、部活動にも入っていない私は高校の周りを英語の問題集を片手に歩いていた
家に帰って勉強しようとも思わなかった
家は父が母に対するDVなどもありなかなか居づらいものであった(母が、警察には言うなと言っており、私は何も出来なかった)
そんな中、家で勉強しても捗るものも捗らない
「...はぁ」ため息を付きつつ 頭の中で英語の文法問題を解いていた
学校の方からは冬の大会に向けて練習に育む1〜2年の運動部の声が聞こえる
私も何か部活に入ればよかったと思う
しかし私には趣味も特技も何も特になかったので運動部にも文化部にも入るのは気が引けた
パタン_と問題集を閉じリュックにしまう
そのまま無言で高校に自転車を取り戻る
いわゆる自転車通学だ
私が校門をくぐり自転車置き場に向かう途中、友人の皐月、小笠原皐月が私に声をかけてきた
「あ、[削除済み]じゃん。今帰るとこ?」
「そうだよ。皐月も?」
そうだよと皐月は言った
「[削除済み]一緒に帰ろ」
特に断る理由もないので
「分かった」一緒に帰ることになり受験勉強や、ちょっとした恋愛についても話した
「でさぁ、なんか最近変な都市伝説が広まってるんだよね」
急に話の内容を変えられ少し私は困惑したが相槌を入れる
「どんな都市伝説なの?」
すると皐月は少し興奮気味にスマホの画面を見せてきた
「これ!!最近なんか夜遅くまで外にいると変な奴に合うんだって!!」
スマホの画面にはその"変な奴"の写真が写っていた
「これが?どうしたの?」
「なんか夜遅くに人気のない道を歩いてると」
「うんうん」
「こいつに遭遇して色々と質問されるらしいんだよね」
ただの不審者じゃないの?
と皐月に言うと、
「私も最初はそう思ったんだけど昨日遭遇してさ!」
「はい!?」
もう遭遇したら伝説じゃなくてリアルじゃん
「それでなんか写真を見せられてさ、「これを見たことないかな?」とか聞かれてさ(笑)」
皐月は面白そうに言ってるけど私は驚きしかないんだよ...
「それでもし見つけたらここに電話しってって言われて名刺を渡されたんだよね」
コレ、といい私にその名刺を見せた
"SCP財団 確保 収容 保護 [███-████-████]島田英二"([]内は電話番号)
と、 書かれた名刺だった
「なにこれ?」
さぁなんだろうねぇ〜と、
皐月は面白がっている
「おっと、ここまでだね。じゃあまた明日!」
気がつけば皐月と私の家に其々続く分かれ道の前だった
「また明日」
そう言ってお互い手を振り別れた
そのまま私は自転車を手で押しながら家へ向かう
SCP...確保、収容、保護...まぁ、ただの皐月のドッキリ的なやつかもしれないし...
受験勉強も有るし深く考えるのはやめよう
しばらくそのまま歩いて、家についた
普通の一軒家
私の家
「...ただいま」扉を開け、玄関でソレを言う
返事はなにもない
寂しいとは思わない
ただ...
いや、何も私はそのことについて感じていない
階段を登り、自分の部屋へ向かう
そして、部屋につくとスマホで"SCP"と検索した
あれ、なんで調べたんだ?
だがやはり何も出てこない
「出てきたら逆に怪しいよね...」私は着替えを持ってお風呂場に向かう
"ガチャ”そのタイミングで、玄関の扉が空いた
「お、お父さん、おかえりなさい」父が帰宅した
私のことなど無視して父はそのままリビングへ向かった
「おいババァ!!」はじまった
「おい聞いてんのかてめぇ!!」
ガン!!机を叩いた音だろう
でも、私にできることはない
私はそのままお風呂に入った
関係ない
関係ない関係ない
私は関係ない
私は関係ないんだ
何もしないで、見て見ぬふりで
傍観してればいいだけ
お風呂から上がって、廊下に出ると
「ゴメンなさいじゃねぇんだよ!!」
「ごめんなさい...もう止めて...」
「あぁ!?てめぇ誰のお陰で飯食えてると思ってんだ?糞が!!」
ガン!!「あ...」父が母を蹴った
あぁ、もう...
「糞が!!」
「ガン!!」
「俺がつらい思いしながら」
「ガン!!」
「働いてるってのに!!」
「ガン!!」
「うっ...もう止めてぇ...お願い...」
「はぁ!?」
父は興奮して冷静さを失っているようだ…
私は関係ない…
でも...見てられなかった
「お、お父さん。もう止めてあげ「引っ込んでろ!!」」
がっ
頬をグーで殴られた
「テメェは部屋行ってろ!!関係ないだろ!!」
...私はただ呆然としていた
そんな私に苛ついたのか「来いババア!!」そう言って母の髪を引っ張り、外に出て、車に乗ってそのまま何処かに行った
私を家に残して
しばらくはずっと私は玄関の前で立っていた
そして、部屋に戻り私は新しくまた服を着替え直し、家を出た
家出ではない
ただの気分転換だ
今はもう午後10時
それを考えると結構な時間呆然としていたらしい
「...」
私はこうなってしまった理由については知らない
でも、あるんだろう
きっと
そんな事を考えつつ私は住宅街から離れ、商店街についた
と言っても、もう此処のお店の殆どが閉まっている
夕方までは人で溢れていた場所も一日の終りには殺風景になる
何事にも、終りと始まりは有る
もう、底は見た
あとは朝を待つだけ
絶対にくる朝を
私はこの日常の崩壊を待っている
非日常を期待している
皆の持っている
「すみません」
!!
「あっ怪しいものじゃないんですけど。まぁそんなこと言っても怖いよね(笑)」
振り返るとそこにはスーツ姿の若い女性が居た
「コレを見たことないかな?」
見せられた写真には人の形の四角い顔に3つの白い光っている穴の大き穴のあいた何が写っていた
不気味だ…
「見たことないですね...」
「そっか」
その人は苦笑していた
「はいコレ。もしコレを見たら連絡してくれる?」
皐月が持ていた名刺と同じだ
違うのは名前、”中村 蒼”
「えっと、わかりました。中村さん」
「うん。あともう遅いから家に帰りなよ」
「...はい」
そう言って私はその場を離れた
少し振り返って後ろを見るとさっきの人
中村さんはまだそこに立っており、私を見ている
私は店と店の隙間の小道に逃げるように入った
そして私は入ったところでしばらく待ち
もう一度商店街に出る
「え」
No.02
裏道から通りを出てすぐ、左脇には中村さんが立っていた
中村さんは私に「動かないで」と言った
私はとてつもない恐怖心に襲われた
足はたぶん震えていたと思う
冷や汗も出てたと思う
「財団に報告...見つけたわ。機動部隊を至急呼んで!」
中村さんはスマホを取り出し何処かにそう報告した
「え、あ、あの...」
財団?
機動部隊?
何がなんだかわからない。
「動かないで、そこから...!!」
「ウゴ...カナイデェ...」
中村さんがそう言った後に後ろから不気味な声でまた同じセリフが聞こえた
え、あ...後ろに、何かいる...?
「動かないで!!こっちを見て!!」
私は振り返った
「あ...あぁ...」
さっきの写真の何か...私のすぐ後ろにいる...!
「ウゴカカカカカナイデェ...」
顔らしき場所にある3つの白く光る穴...
「う、あ...」
私は地面に崩れた
「不味い...!!」
中村さんがそんな事を言う
「助け_」
突如人形の光る3つの穴が強い光を出し
その眩しさに 目を閉じて、再び開ける
「あ、[削除済み]じゃん。今帰るとこ?」
え!?ここは...
「ねぇ聞いてる?」
そこは今日の放課後と同じ自転車置き場
「ねぇどうしたの?」
皐月がいる
「ん。い、いや何も...一緒に帰ろ...」
私色んな事が重なりすぎて困惑していた
そして一緒に帰路に付き途中まで夕方と変わらない内容の話をした。
そして
「でさぁ、なんか最近変な都市伝説が広まってるんだよね」
ドキリとした
「ど、どんな内容の?」
正直聞きたくなかった
だって、 聞いてしまって同じ内容ならまた...
「ふふーん...ズバリ!!小さいおじさんよ!!」
私は立ち止まった
"小さいおじさん"...か
「あはははは!!」
突如として笑いが込み上げた
皐月はぽかんとしている
「そっか。夢だよね...」
「え、どうした?」
皐月は驚いている
まぁそうだよね...
「いやなんでも。夢の話(笑)」
そこから其々の家に続く分かれ道まで
小さいおじさんの話をお腹いっぱい聞いた
「じゃあまた明日」
「また明日」そう言って別れた
夢だった?
何もかも?
お母さんは蹴られない?
私は殴られない?
家についた
普通の一軒家
私の家
「ただいま」扉を開け玄関でソレを言う
「おかえり」お母さんだ
お母さんが夕食の支度をしながら言ってくれた
ソレだけで私は不思議とすごく嬉しくなった
『SCP財団 確保 収容 保護』
あっ
その単語が頭によぎった
私は急いで部屋に行きスマホで調べる
「該当なし...」やっぱり何もない...
私は着替えを持ってお風呂場に向かう
"ガチャ!!”そのタイミングで玄関の扉が空いた
「お父さん、おかえりなさい」
私の父が帰宅した
正直すごく心臓がバクバクしていた
「おう、ただいま」
...!!
ソレだけで、ソレだけのことが本当に嬉しかった
私はお脱衣所に行って服を脱ぎお風呂に入る
シャワーやお湯はいつもより熱く感じた
あれは夢だった
長い夢だった
長い長い夢だった夢だった
悪い夢だったんだ
もう、つらい思いを皆しなくて済む...
お風呂から上がって 服を着てリビングに出る
そこには笑いながらバラエティー番組を見る両親が居た
「[削除済み]もうご飯できてるから皆で食べましょう!」
上機嫌な母に従い私はテーブルを拭いて料理が来るのを待った
出てきたご飯はビーフシチューで私の好物
「じゃあ食べましょう」
母が言い
「「「いただきます」」」
そして
「「「ごちそうさまでした」」」
美味しかった
やっぱり...底は見たんだ
夢なんだから現実じゃない
夕飯の後は3人でバラエティー番組を見た
歯を磨き「おやすみなさい」
「「おやすみなさい」」
私は階段を登り自分の部屋に行き ベットに潜る
そして泣いた
たくさん泣いた
今までの"夢"の中での辛い事
”現実”の温かい家庭
それらの温度差によってバラバラになりそうな心は安定しようとしている
そう考えると幼いのかな
高校三年生、大人一歩手前も、体は成長しても心は完全ではない
現実のような、悪い夢
そして意識を失う様に眠りについた
...目が覚めるとそこは自分の部屋の天井とは違っていた
起き上がってあたりを見渡す
「え?」全く知らない場所だった
手には手錠がついている
私が混乱していると部屋の扉が開き"中村さん"が入ってきた
「何処か具合は悪くない?気分は大丈夫?」
中村さん
"夢の中の人物"なんで"現実"に...?
「夢の中の人物なんで"現実"に...?」
私はそう口にした
「やっぱり、混乱するよね」
「えと...此処は?」なんで貴方が現実にいるの?
「君は事件に関わっちゃった"被害者"だから一応は隠さず言えって言われたから話すよ」
ここは「SCP財団の日本支部。Site-81██」
君には2つ選択肢が用意されている
「全て忘れるか、財団の職員になるか」
終
これは私がScratchというプログラミングサイトでアップロードした作品をここでもアップロードしたというだけです。@CLASS-D-JPというアカウントで活動していました。