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0話 紅い月

「何事ですか!」


 豪奢なベッドで眠りについていた女王は、城内の騒がしさで目を覚ますと、寝起きとは思えないほど声を荒げた。


 すると、1人の家来が寝巻きのまま慌てた様子で、女王の部屋に飛び込んできた。


「ご無礼を承知で失礼します! 緊急事態です、女王陛下!」

「よいです。何があったのですか」

「紅い月が、現れました……!」

「そんな……」


 家来の報告に、女王は思わず両手で口元を覆う。


「確認ですが、それは本当ですか?」


 まだ本当と決まったワケではない。女王は僅かな希望を胸に、家来に問い質す。

 しかし。


「信じられないかもしれませんが本当です。証拠をお見せいたしましょう」


 そう言って、家来は部屋の窓側に移動し、遮光カーテンを開いた。

 その瞬間だった。


 物々しい雰囲気を醸し出す、夜空に浮かんだ紅く大きな月が、女王の目に飛び込んできた。


「女王陛下、突然のことで未だ信じられないかもしれませんが、これが現実です。我々も初めての事で慌てていますが、何とか今日にも()()の準備を完了させるつもりです。ですから、女王陛下もお早めにご準備を――」


と、家来が言いかけた直後だった。


「いや……いや……もうやめて……」


「陛下?」


「これ以上私から何も奪わないで……!」


「陛下!」


 突如、女王が身体(からだ)を震わせながら涙を流し始めたかと思うと、女王は叫び声を上げてそのままベッドの上に倒れ込んでしまったのだ。


 これに慌てた家来は、女王の身体を何度も何度も揺さぶり、その名を叫ぶ。


 しかし、その日の内に女王から返事が帰ってくる事は無かった。






 それは余りにも突然の出来事だった。

 (あか)い月が夜空を嘲るように浮かび上がったのだ。


 恐らくあと90年は見ることが無いだろうとされていたモノ。しかし、誰の予想よりも遥かに早く、それは再び現れてしまった。


 その光景を目にした人々は、驚愕して、絶望して、そして勇者の登場(きぼう)に縋るしかなかった――。

お読みいただきありがとうございました。

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それでは、次回もまたよろしくお願いします(→ω←)

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