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目に入ったのは部屋に一つしかない窓からの光。
陽光の果てギルドの建物は太陽からの光を極限まで取り込む構造となっているので常に明るいがこの部屋が明るくなるほど時間が経っているとは思わなかった。
いつもだいたいリルリアの時刻に起きるので新鮮だ。
「アルティア......?」
ノックもせずに入ってきたのは生津の娘、レイス。
一つ年上の彼女は金髪赤眼の治癒魔法を扱える貴重な人物。
「おはようございます」
「珍しいわ。アルティアがここにこの時間帯にいるなんて」
「そう、ですね」
苦笑いを浮かべて着替えようと立ち上がる。
「ローブ、古くなってきたね」
「私が動き回るので仕方ないです」
「そっか。父が言ってたけど学園に通うの?」
「生津のお願いですからね」
つまり、通う。
でもこれからどうしたらいいのかなんてわかってはいない。
特に説明を受けてないし決めたのは昨日、手続きやら面倒なことがたくさんあるだろう。
「私も学園通ってみたいな......」
というのも、彼女は学園に通うことが出来ていない。
なぜ、レイスが学園に行くことが出来ないのか。
彼女の貴重な能力のせいだとはわかるが彼女は16歳。
15歳からが学園に通う適年齢なので今からでも遅くはない。
「でもダメだよね、私の力を必要とする人のほうが私の願いより重視しないといけないし......でも、アルティアが私の分も楽しんでくれればいいかな」
そんな彼女の言葉で私は途中で退学はしないでおこうとなった。
「レイスの分も楽しむから」
「うん、よろしくね」
出ていこうと彼女が扉を開けたがふと途中でこちらを振り返り......
「あ、あとマスターから呼ばれてる」
「それを先に言ってくださいよ」
という具合であった。
「来ましたよ、生津.......マスター」
「はよ入れ」
昨日と変わらない声が扉の向こうから聞こえて入る。
「何をしているのですか、マスター.......」
「ん? 巷で人気のラノベを呼んでるだけだ」
部屋の真ん中のソファに寝転がってる生津をみて飽きれる。
「仕事は?」
「残念ながら私の頭の中の辞書に仕事という字はないな」
右手で炎の魔法を作り、生津の上にかざす。
「その炎は?」
「今からそのラノベを燃やしてもよろしいでしょうか? うっかりマスターに炎が掠めるかも知れませんが」
「あー、休憩の時間は終わり~ さあ、仕事だ」