1/14
序章
初めてスチームパンクの話を描きました。
拙い文章だし、スチームパンクになったかどうかも分からないから、それでもいいよ!って人はぜひ読んでみてください。
面白いって思っていただけたら幸いです
蒸気機関車の汽笛と煙突から吐かれる、井鼠色の息。無限の空に無数の硝煙が白い雲を汚す。そんな景色を大きな窓から眺めることもせずにただ、機械や道具をいじって薄ら笑みを浮かべる変人がいた。
その変人は、機械いじりと実験が好きなやつでほぼ毎日、実験を繰り返しては新たな機械を生み出す。ここまでいえば何となくわかるだろうが、やつは科学者である。
変人科学者の名前はクロノス・フェイ。人嫌いなため、30過ぎであるのにも関わらず結婚もしてなければ、恋人もいない。そんな独身貴族を謳歌している男は、これから自身の身に起こることをこれっぽっちも知らず、ただただ、珈琲片手に最高傑作を眺めていた。