跡形もなく吹き飛んだアフロ
炎魔術がさく裂した、と思ったらやつが吹き飛んでいた。
まったく、セクハラするからだ。
あの、馬鹿野郎。
我がパーティーの格闘家のそいつは、ツンデレ攻撃魔術師の女にお熱を上げている。
しかし素直になれないから、あれこれ意地悪をいったり、セクハラをしたりしているのだ。
それで、キレたツンデレ攻撃魔術師が毎回炎魔術をぶっ放すのがお決まりになっていた。
俺達だけがいる場合ならいいけど、他の人間がいるところでやられると皆が驚くだろうに。
なんとか自重してくれよな。
髪の毛をアフロにしたセクハラ野郎が、よたよたとこちらに近づいてくる。
「か、回復魔術を、プリーズ!」
「いやだね。少しはこりろよ」
「そんな事いってもなぁ。素直になるのって意外に難しいもん」
野郎の「もん」なんて受容ないだろ、気持ち悪い。やめれ。
この分だとこいつが素直になる前に、炎魔術の誤爆で体が吹っ飛びかねないぞ。
今はまだつっこみとしてギャグみたいな威力ですんでるけど、人間だし手加減を間違える事あるんだからな。
俺はそう言っておいたけれど、そいつは「へーい」と気のない返事。
こいつ絶対分かってないな。
数日後、おそれていた事が起きた。
「このっ、セクハラ野郎!」
どーん。
「ぎゃあああああ!」
ちゅどーん。
「うぎゃああああ!」
ちゅどーん。ちゅどーん。
「ひぎゃああああ!」
ツンデレ魔術師が熱を出した。
意識もうろうとしている所にセクハラを働きにいった罰だ、やつはすぐにアフロになった。
そして連続で炎魔術をくらって、アフロをちりちりにしていった。
しかし、最後の魔術は格別に威力が高かったようだ。
「ふっとべぇぇぇぇぇぇ!」
「ちょっ、それ。しゃれにならな、うぎゃああああああああああ!」
セクハラ野郎は跡形もなく木っ端みじんになった。
いや、おおげさだ。
でも、そう錯覚するくらいの威力だった。
事実アフロ部分(髪)は吹き飛んだみたいだし。
あの分だと、百メートルくらい飛んでったな。
体だけは丈夫だからたぶん生きてる、とは思うけど。
これにこりたら、これからはあんまり変なちょっかいかけるなよ?




