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僕の妻は吸血鬼  作者: カワヤマ
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北海道新婚旅行①

「なぁ、ハルキ。プールに行こうではないか」

突然ラーラはそんなことを言い出した。

「ああ、いいけど、外に出たら日に当たっちゃうよ?」

「わかってる!そこで私は考えました!」

「うん…」

「…何考えたか聞いて」

「ああ、うん。何考えたの?」

「日が出ている間にプールに行こうとすること自体が間違ってるんだよ」

そういうことか。

つまりラーラが言いたいのは。

「「ナイトプール」」

僕とラーラは2人で見つめあい笑い「ハモったね」とラーラが言った。

そういえばこの前届いたチラシかなんかにナイトプールの見出しがあったような…。

でもなんで急にプールになんて行きたがるのだろう。

「なぁ、なんでプールに行きたいの?」

「それはな、それはな。ハルキ言っていたではないか「あついな、プールにでも行きたいなー」と」

確かにそんなことを言った気もする。

「けど、ハルキ。私が外出れないのをわかって、ちょっと気を使っていただろ!だから、私は考えたんだ!夜に行けばいいんだと」

「そ、そうか。でも、この辺でナイトプールなんて…やってたけな?」

「それなら大丈夫!夜に学校のプールに忍び込めばいいんだ」

「いや、それは高校生がアニメとかでやるあれだろ。青春的な、でもあれ高校生だから許されているんだよ。成人超えた大の大人2人がそんなことやってたら大事件だよ」

「そ、そうなの?」

そんなとラーラはくらい声を漏らす。ラーラなりに僕に気を使って考えてくれていたのか。

僕は少し嬉しくなり、なにかないかと考える。

「あ、海に行くのはどうだ?」

「海?嫌だ嫌だ!あそこにはモンスターが沢山いるんだ!クラーケンに食われる!」

「いや、そんなものはいないから。でも確かに僕も海はそんな好きじゃないけどさ、プールの代わりぐらいにはなると思うし」

僕も海は好きではない。

底が深く何があるか分からない海底を想像するだけでゾッとするしそれに海水で体が汚れたりするのも嫌いだ。

けど、プールに行けないのなら海に行くのがいいかもしれない。

「うーん、プールがいい!」

「そ、そうか…どうしようか…」

僕らは考えた。

すると1本の電話がなった。

僕は電話に出ると横で電話にラーラは耳を傾けていた。

「もしもし」

『あ、もしもし、上村です』

上村と名前を聞き横でラーラが「誰だ?」と言っている。

前に電話で話したことあると上村さんは言っていたが、ラーラは覚えていないらしい。

「あ、上村さん、どうしました?お盆休みに」

そう、今僕の会社は少し早めのお盆休みに入っている。

お盆中は忙しいため、お盆の前に休みを取りお盆は働く。それがうちの会社のシステムなのだ。

『いや、ハルキくん、お盆奥さんとどっか行くの?』

「いえ、特に今のところはまだ決めていませんね」

『ホント!?じゃあさ、うちさ、旅行に行こうと思ったんだけど急用で行けなくなっちゃって…でもホテル代とか払っちゃってもうキャンセルできなくてさ、奥さんと二人で行く?』

「あはは、とてもありがたいお話なんですけど、うちにも少し事情がありまして、今回はお断りさせていただきます…」

『そっかー、北海道のホテルでナイトプール付きなのに…仕方ないね』

「行きます」

『「え」』

電話越しの上村さんとラーラの声が重なる。

『そ、そう。わかった。じゃあ明日会社にチケット取りに来て、あ、飛行機乗るから飛行機のチケットと、ホテルの旅行券渡すね、バイバーい』

プツッと音が鳴った後にプープーと音を鳴らしている携帯。

僕はその携帯を電話が切れているのにも関わらず耳に当てっぱなしにしている。

それを見ていたラーラは言った。

「なあ、ハルキ。飛行機ってなんだ?」

……ナイトプールは知ってて飛行機は知らないんだ。

「今度新婚旅行に行こうラーラ!」

僕は荷造りを始めてラーラはそんな僕を見ながらお茶を啜っていた。

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