夢
朝目が覚めると締め切られたカーテン全開で開いていた。
今はもう夏で、僕の家は四六時中カーテンが閉まっていたのだが今日は開いていた。
僕は少し不思議に思いラーラを探した。
そういえばいつも朝はラーラが起こしに来てくれるのに今日は起こしに来ない。
僕は嫌な予感がしてラーラを呼んだ。
「ラーラ!どこにいるの!?返事をしてくれ!」
家の中で叫ぶが返事はない。
僕は焦り家を飛び出した。もちろんパジャマのまま。
アスファルトの上を走っているが靴を履き忘れて焼けるように足の裏が痛い。
おかしい。ラーラはもう夏になってから1度も家から出ていないのにいきなり居なくなるのはおかしい。
なにかの事件に巻き込まれたか……考えたくはないけど…出ていったか。
いやだ!まだ君のこと知らないこと、わからないことがいっぱいあるのに。話したいこと、したいことがたくさん!
もう毎日血をあげるから戻ってきて欲しい!もっと仕事を頑張って大きい家を買うから!だから…だから…
「おはよう。ハルキ。夜は暑かったか?すごい汗をかいているな」
「ラーラ…おはよう。あれ、いつ帰ってきたの?」
「?何を言ってるんだ?私はずっとここにいたぞ?」
僕は気づくとベッドの上で寝ており横でラーラが椅子に座って僕の手を握っていた。
「どうして手を握っているの?」
「いや、ハルキが寝言で私の名前を呼んでいたからな。手を握ってやったんだ」
「そ、そうなんだ」
僕は暑さのせいか顔が熱くなる。
ラーラのいる方の逆に顔を向け僕は言った。
「…ラーラはさ、僕より長生きするんでしょ?もし僕が…僕が死んだら…どう思う?」
この質問は今までずっと怖くて聞けなかったのだ。
もしラーラが僕がいなくなっても大丈夫だとか言ったらどうしようとかそんなことばかり浮かんでこんな質問が出来なかった。
それに、僕は怖いのだ。
ラーラが僕を忘れてしまうことが。それが怖いのだ。
しかし、そんな僕の気持ちに気づかないかのようにラーラは言った。
「そうだな、もしその時が来たらハルキの血を全部吸ってハルキの全てを私のものにする」
…。
そうだ、ラーラは吸血鬼なのだ。
僕は少しだけ忘れていた。吸血鬼と人間の違いを。
ここ最近は血を吸われることに慣れすぎてあまりに普通のことだと思い込んでいたが違った。
普通はありえないのだ。
血を吸われるなんて。僕はラーラの言葉で久しく忘れていた恐怖を思い出した。
「それって…」
「この話は終わりだ!よし、朝ごはんができてるぞ。着替えて食卓まで来てな」
「わかったよ」
僕の切り出した話はラーラによって中断させられる。
僕は少しさっき見た夢を思い出す。
夢で実感した。僕にとってラーラは…ラーラはもうなくてはならない存在なのだと。
もしかしたら僕はラーラにとっても僕はそういう存在でありたいと思っていたのかもしれない。
でも、ラーラはそんな風には思っておらず、実際は僕を食糧としか見てないのかもしれない。
もしかしたらあの夢は僕がラーラを追い出したあとの世界の話かもしれない。
でもそんなことー
「おい、早く着替えろ。ご飯が冷めるぞ!」
僕が考え事をしているとラーラは僕を呼んできた。
「ごめん、すぐ行くよ」
考えても仕方ない。今はこの2人だけの時間を味わっていこう。
未来のことは未来の僕に任せて今の僕は今の僕を生きよう。
そう決め僕は食卓に着くとラーラが僕の耳元で囁く。
「私はハルキがいなくなったら死んじゃうかも…」
僕は夏風邪を引いた。
これ書いてて少し恥ずかしくなってくる。
ラブコメって読むのは面白いけど書くと恥ずかしいな。
あとラブコメってその場のノリと流れで書いてるから結構書いてて楽しいんだよね。
あ、面白ければ…以下略。
ホッ(〃 ' o')(〃 ' O')ホー