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6 ランクEになる・勘違い


 翌日から、私はランクEを目指して、ギルドでランクE・Fの依頼を受けた。


 ジークは私に合わせて、ランクDの日帰りで出来る依頼を受ける。依頼は1つ上・下のランクまで受けられるそう。


 朝・晩は宿屋で食べる。朝はシチューとパン。こちらは、こんな感じの朝食らしいです。お昼は、朝に屋台で買ったものを持って行く。日帰りなので、現地で作っている時間がないのよね~。


 そして、ジークの狩場について行き、その行き帰りで私の依頼を消化する。討伐対象は、スライム・ウサギとゴブリン。ちょっと難しい…。


 そこは面倒見のいいジークが、手伝ってくれる。


「ジークありがとうね」


「気にしないで。ウサギは、そろそろ大丈夫そうだけど、ゴブリンは、まだ無理そうだしね」


 そうなんですよ~、ウサギはやっと一人で狩れるようになったんだけどね。が、しかし!解体がキツイ……、一向に慣れない……。うぅっ。


 ついでに薬草を集める。うん、採取の方が向いている。ゆくゆくは、採集メインで屋台を出すのがいいかな、と考える。独り立ちしたら、ジークに相談しよう~。


 一週間ほどでお金が貯まり、武器を買いに行った。片手剣を素振りした時、これは振り回せないなと諦めた。ちょっと大きめのナイフだけ買った。これでジークにナイフ返せるよ。


 でも、ナイフだと私の攻撃力が低いので、一撃で倒せない。なので、魔法も使って倒すように戦い方を変えた。


 風魔法を攻撃のメインに使う。上位魔法を覚える為に、他の属性魔法も、まんべんなく使います。そう、目指せスキルアップ!


 魔法で攻撃して、ナイフでとどめを刺す。の、繰り返し。


「ミーチェ、魔法の使い方が上手くなったね。安心して見ていられるよ」


「ありがとう、ジーク。ナイフで狩るより魔法の方が向いているかも。魔法使いになろうかなぁ~」


 火魔法で黒焦げにしない様にだけ、気を付けないとね。森で使うのはダメなんだって~。後、雷魔法と氷魔法を覚えないとね。あっ、回復魔法もだ!


「確かに、ミーチェは魔法使いが向いているかもね」


 と、ジークが微笑む。


 イケメンの微笑みって、尊いです……。




 まじめに依頼をこなし、一ヶ月ほどでランクが上がった。


「ミーチェさん、ランクアップおめでとうございます。こちらがランクEのギルドカードになります」


 レイシアさんが、にっこりと鉄に銅の縁どりのギルドカードを渡してくれた。ちなみに、ジークのランクCのカードは青銅です。


「レイシアさん、ありがとうございます!」


 やった~!これで独り立ち出来る。嬉しくてニコニコしていたら、


「これで新人ですね。頑張ってください」


 と、レイシアさんが、言いました……。あれ、新人?ランクEって新人なんですか?


 レイシアさんが、教えてくれました。


 ランクF:初心者・未成年 E:新人 D:中堅

    C:ベテラン冒険者 B:上級 A:上級


 なるほど~、私は、初心者だったんですね。ジークの新人育成って、ランクEの新人育成って事だったのね。勘違いしていたよ、まだまだじゃない……。


 ランクEになったので、ジークに宿代を出すと言ったら、まだ新人なのにと言われた。そうだけど、結構お金貯まったし……、金貨30枚近くあるよ。


 交渉の末、報酬金の配分は(ジーク6・ミーチェ4)に決まる。ジークが、今まで通り宿代と夜の食事代を出す。そして、私は、野営する時の食材を買う事になった。


 宿屋に帰る途中、広場でジークが、


「ミーチェ。ステータスの年齢いくつになった?」


「え~と、ね~」


 広場のベンチに座って、ステータス画面を開いた。


 名前   ミーチェ

 年齢   12歳

 HP/MP  45/100  

 攻撃力   25

 防御力   21

 速度    34

 知力    90

 幸運    94

 スキル

  ・鑑定A・料理A・生活魔法・空間魔法C

  ・火魔法C・風魔法C・土魔法C・水魔法C 

  ・光魔法C・闇魔法D・短剣E・無属性魔法D  


「見て、ジーク!12歳になってる。短剣スキルEって、魔法より長く使ってるのに……」


 門を入る時6歳。1ヶ月間、狩りを頑張って12歳。ジークの言う通り上がり難くなっているなぁ。それと、魔法の方が短剣よりいいね。やっぱり、魔法使いだね。


 う~ん、ミーチェの横に日本名がないままだ。若返ったから?でも、あっちの記憶はちゃんとあるよ。


「年齢2桁になったね。魔法スキル上がるのが早いなあ。魔力はまだまだ上がるとして、知力90はランクCの魔術師レベルだよ。ミーチェ……、これ絶対、他の人には見せちゃダメだよ」 


「うん。前にも言われたから、誰にもステータスは見せないよ。ジークにしか見せないから」


 すると、ジークがじっと私の顔を見て優しく言った。


「ミーチェ、早く15になって……」


 えっ、ドキッとした。そ、その顔は反則……。勘違いしちゃうよ……。思わず俯いた。


「うん……。ガンバリマス」


 ジークは、私の返事を聞くと微笑んだ。





 翌日から、ギルドで受ける依頼はCとDを受ける。もちろん魔素狙いの魔物狩り、アイテム集めです。


 そして、1泊2日で少し遠出する依頼も受けた。前日に、私のテント用品とか食料とか必要な物を買いそろえる。


 嬉しいことに、日本と同じような調味料があった。醤油もある!これは、先達の迷い人のおかげかな~。味噌はないけど…。食事する時に、テーブルセットが欲しい……。買いました。ジークのバッグに入れてもらいました。結構な金額かかったよ。


 森に狩りに行く時は、南の大門を使う。東にも門があるけど、東門は王都への定期馬車などが使う。


 南の大門で、ジークと顔見知りのケビンさんが、声を掛けてきた。


「えらく機嫌がいいな。お嬢ちゃん」


 お嬢ちゃんて、私いくつに見えているんだろう。フードをかぶっているから、よく分からないのかもね。


「ケビンさん、こんにちは。ランクEに上がったんです。それで今日は、少し遠出の依頼なんですよ」


 答えると、ケビンさんはニッコリ笑って


「おお、そうか!気を付けて行ってこいな。ジーク、無理はさせるなよ!」


「ああ。行ってくる」


 ジークは素っ気なく答えた。


 最近、分かった事だけど、ジークは愛想がない。ギルドでもそうだけど、世間話するのはケビンさんと宿の女将さんぐらい。不思議だ……。


 それと、40位だと思っていたケビンさん、実は30歳だった。ジークだけじゃなく、こっちの男の人はみんな老けて見えるのね。紫外線のせいで、しわが多いのかな?それとも、魔素?気を付けないと……。


 今回は1泊2日の予定。お昼はいつも通り屋台のごはん。夕食は、久しぶりに私が作ります。翌日の分もね。ジークのキラキラした瞳が見たいから、お姉さん頑張るよ~。


 狩場は、森の浅いあたりで狼とコボルト狩り。順調に依頼アイテムを集める。


「ジーク。闇魔法のスキル上げしたいから、暗闇の魔法とか使っていいかな?」


「構わないよ。タイミングだけ気をつけてね」


「うん、分かった」


 早めに野営の準備を始める。ジークにテントの張り方や魔除け石の使い方を教えてもらう。


 そして、ジークのキラキラの瞳を見せてもらいました。フフ、何回見ても嬉しいなぁ。美味しそうに食べてくれる。ジークも嬉しそうに、明日のお昼はどんなの?と聞いてくる。ナイショ、と答える。


 ちなみに今夜のメニューは、オークのシチューとウサギ肉の唐揚げ。明日の朝は、残りのシチューとパン。お昼はオーク肉のハンバーガー、これは朝作っておくのだ。要は、お弁当ですよ。


 焚火の番の時に、アイテムバックが欲しくて、自分のショルダーバッグに空間魔法を試してみる。上手くいかない……、絶対に作って見せる!練習あるのみ!





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