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58 20階ボス戦


 ギルドで換金した後、ダンジョンに戻る。20階でクラブを狩りながらノアールが来るのを待つ。ボス部屋近くの小部屋で、お昼の準備を始めたらノアールが来た。


『ニャ~、ミャオ~ン(ミーチェ、主が美味しかっただって~)』

「ふふふ。お口に合って良かった」

「魔人でも、ミーチェの料理が美味しいって分かるんだね。もしかして、餌付けされたんじゃ……」


 ジークが、腕を組んで何かブツブツ言っている……。


 お昼を食べ終えて、作戦会議です。


「ジーク、作戦は?」


 ジークは、にっこり笑って説明を始める。


「あぁ、ミーチェ。ここのボス部屋は、マーマンが2~3体出てくるよ」

「最低2体なのね」


 マーマンは、サハギンの上位種だそうです。複数体のボス戦は初めて……。


「あぁ、そこでノアールが攻撃の決め手となるよ。ノアール、ミーチェを攻撃されない様にするんだよ」

『ニャ~!(僕、がんばるよ~!)』

「2体でも3体でも、開幕はミーチェの範囲魔法の雷撃を撃ってもらう。それと同時に、僕とノアールが突っ込んで終わりだよ」


 ジークは、とても簡単そうに言う。あぁ、そう言えば<迷宮都市>の20階のボス戦もすぐ終わった気がする。


 いざ、ボス戦です!ジークがにっこり微笑んで言う。


「ミーチェ、ノアール行くよ」

「はい」

『ニャ~!(は~い!)』


 ドキドキしてきた……、ノアールは優雅に尻尾を振っている。ノアールは余裕そうね。


 中に入って、みんなに強化魔法を掛ける。奥からケタタマシイ叫び声が聞こえてくる……。


『ギャーー!!グアオオォ!』

『ガアァッ!!グウオオォォ~!!!』

『グオオ~!ギャー、ギャー!!』


 3体いる!ジークが剣を抜いてゆっくり歩いて行く。深呼吸をして付いて行く。


 マーマンの姿が見えた。タイみたいな赤い顔と、オコゼみたいなブツブツ顔のとブリみたいな顔をしている……。目は死んでいない!


「ジーク、雷撃魔法行きます!」


 ビリビリビリ!ドッカーン!!……ピクッピクッピクッ


 ジークとノアールが、同時に突っ込んで行き瞬殺です。早すぎる!


 マーマンの消えた辺りに宝箱が現れた。


「フフ。ミーチェ宝箱だよ。3体だったから、沢山入っていたらいいね」


 ジークが、優しく微笑む。おぉ~!宝箱が出たよ!


「うわあぁ~!何が入っているのかな、ジーク、ドキドキするね!」

『ニャ~、ニャ~(ミーチェ、開けて~)』


 良いのが出ますようにと、宝箱をナデナデしながら開ける。ジークはクスクス笑うけど、良いのが出て欲しいじゃない~。


 パッカッ!


「ジーク!ジークが宝箱の中を見て!」


 自分が見るとハズレが出そうなので、ジークに見てもらう。


「おお!ミーチェ、沢山入っているよ。大当たりだ!」


 宝箱に入っていたのは……

・マーマンの魔石×3 ・ポーション(中) ・アクアⅡのスキル書 

・防御力アップの指輪(+10)・幸運の実 ・アイテムバック(小)


「うわ~~!凄いね!大当たりだよね!」

『ニャ~ン?ニャ~!(ミーチェ、大当たりなの~?やった~!)』


 ノアールと2人でスキップしながら、宝箱の周りを回った。やった~!指輪が出たよ~!


 ジークはお腹を抱えて笑っている。


「あはは!ミーチェ、可愛いね……。ノアールも釣られて。あははは!」


 だって、すっごく嬉しい~。じっとしていられない~!


「ねぇ、ジーク。大当たりのお祝いしないとね~!」


 はっ!思い出した。21階から、ジャイアント3兄弟が出て来るんだった!ジャイアントスネーク・ジャイアントスパイダー・そして、ジャイアントクラブ!レアアイテムで特上カニ身を落とすのよ~♪普通のカニ身もドロップするし、魔物なのに尊い存在!


 ジャイアントクラブ……。私は貴方に会う為に、このダンジョンに来たの……。市場で、貴方の特上カニ身は売ってなかったのよ。はっ!トリップしていた!ジークが見ているのに……。


「あはは。ミーチェ、お祝いって?何するの?」

「ジーク!21階でジャイアントクラブを狩りましょう。特上カニ身を取って、夜はカニ鍋にする~!」

『ニャオ~ン!(わ~い、お祝いのカニなべ~!)』


 クスクス笑うジークに、戦利品を渡して21階に進む。そして、感知魔法をいっぱいに広げて、ジャイアントクラブをくまなく探した。


 6体のジャイアントクラブに遭遇し、普通のカニ身5つとレアの特上カニ身を3つも手に入れました!特上カニ身、見た目はタラバガニです。幸運96が有り難いと、手を合わせたくなる瞬間です。


 そのまま、21階の小部屋で土壁を作って野営の準備をする。そして、カニ鍋です。市場で売っていた昆布とカニの腹身でダシを取る。なんて贅沢な!と思いながら、調味料と風魔法でカットしたカニ脚を入れる。後は、魔法でひと煮立ち、すぐに出来上がります。


 そして、即席ポン酢も作る。ジークとノアールは、もう座って待っている。早いね。


「お待たせ~、カニ鍋が出来たよ~!熱いから火傷しないでね」

「ミーチェ、美味しいよ!凄く美味しい……、参ったなぁ。もぐもぐ……」


 そうでしょう、そうでしょう~。


『ニャオ~ン!ミャ~ン。ゴロゴロ……(ミーチェ、すごく美味しいね~!主にも食べさせてあげたいよ~。ゴロゴロ……)』


 ノアールは、尻尾で椅子をバシバシ叩いている。そっか~、魔人さんを呼んでもいいかもね。


「ゆっくり、食べてね。ふふ」


 2人が食べている間に、氷水にくぐらせた2種類のカニ脚の刺身を盛り付ける。お醤油とカニ味噌(お酒と煮た)も準備した。じゅるっ、よだれが出るよ……。


「カニのお刺身ですよ~。これは喧嘩になるから、一人ずつお皿を分けたからね」

「ミーチェ、喧嘩になるの?」

『ニャ?(だれが~?)』

「数が少ないと、取り合いになるのよ……。まぁ、どうぞ食べてみて」


 ジークは、カニの刺身をカニ味噌につけ一口で食べた瞬間、無言になり瞳がキラキラして刺身を見つめて頬が染まる……。ノアールは全身毛を逆立ててから尻尾を丸めて、ずっ~と、ゴロゴロ鳴いている……。


 あぁ、ダメだ。笑ってしまう……。


「クスクス。ねぇ、凄く美味しいでしょ~?数が少ないと取り合いの喧嘩になると思わない?」

「あぁ、ミーチェの言う通りだね……。カニ味噌?なぜ、今まで知らなかったのかな……降参だよ。もぐもぐ……」

『ニャ~ン。ゴロゴロ……(ケンカしたくないよ~。ゴロゴロ……)』


 カニ身は、ズワイガニの味とほぼ同じでした。特上カニ身は、見た目と食感はタラバガニだけど、もの凄く甘みがあって絶品です!



 夜、ジークと戦利品をどうするか話し合った。今回のポーション(中)は、私が持っておく事になりました。魔石、スキル書、アイテムバック(小)は売ります。


 防御力アップの指輪(+10)は、ジークがつけます。そして、幸運の実は私だそうです。


「ねぇ、ジーク。これ以上幸運が上がっても、ドロップ率は変わらないんじゃないのかな~?」

「ミーチェの幸運が100になるまで上げるよ。今回で幸運がいくつになるかな~。楽しみだね、フフ」


 にっこりするジークに、幸運の実を渡される。しかたないな~、私はゆっくりと幸運の実に魔力を込めていく……。幸福の実が輝いて、フワリと浮いた。そして、溶ける様に身体へと入ってきた。


「ステータス・オープン」

 

 名前   ミーチェ

 年齢   16歳

 HP/MP 130/1030

 攻撃力    78

 防御力    73

 速度    106

 知力    172

 幸運     99

 スキル

  ・鑑定S ・料理S ・生活魔法 ・空間魔法S

  ・火魔法A ・土魔法A ・風魔法A ・水魔法A

  ・光魔法S ・闇魔法A ・無属性魔法S 

  ・雷魔法S ・氷魔法A ・聖属性魔法S 

  ・短剣D  ・回復魔法A ・時空間魔法S


 うわ~、幸運99だって……。いつの間にか、料理スキルがSになっている。ジャイアントクラブのお陰かな?


 私のステータス画面を見たジークが、ニコニコして言う。


「ミーチェ!凄い、99だよ!3つも上がったね。おお!料理もSに上がっているよ!なるのが遅い位だけどね~」

「ふふ。ジーク、ありがとう」


 また、美味しい料理を作るね。


 







誤字報告ありがとうございます。助かります。

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