３５ ジークの視点３ 君は誰？
可愛い女の子がいた。心配そうに、僕を見ている。
「……君は誰？」
彼女は驚いた顔をしている。そして、簡単に今の状況を教えてくれた。彼女はランクEの冒険者で、僕のパーティーメンバーだと言う。しかも２人パーティーだって……。
岩山で、馬車ごと谷に落ちて、僕が気を失ったらしく、彼女の事を忘れた様だ。そして、なぜが<森のブラージ>に向かっている。
重大な事は、自分が料理を担当しているから、食べる様にと言う……。１番大事な？事なんだ……。彼女の料理は驚くほど美味しい。これ、いつも食べていたのかな？
彼女は、適度なキョリ間で接してくれる。ありがたい。でも、一人で出かけさせてはイケない気がして、付いて行ってしまう。なぜだろう……。
段々と、彼女の事が分かって来たけど、秘密にしていることが多い。確かにステータスは、人には見せない方がいいね。秘密は、まだありそうだ……。
僕のステータスも見せようかと、言ったら彼女は焦って拒んできた。なぜだろう、何かあるのかな。
夜、テントに入ってステータスを確認したら……。（＋１）とか表示されている。何だこれは……？きっと彼女は、この事を知っていたんだね。これを聞かれると困るのかな？
彼女とダンジョンに入った。問題なく進んで行くが、驚かされる事が多い。テントを拡張していて、そこにベッドとソファー、お風呂まである。高級宿屋みたいになってる……。
「ミーチェ。これはどうなっているの……？是非、教えて欲しいんだけど……」
『覗いたんだ～。ジークのエッチ！』
えっ！ミーチェ！お風呂は覗いてないから……、返事がなかったから、心配だったんだよ……、ごめん。違うんだよ……。
ミーチェと杖を見に行ったら、サイモンが声をかけて来た。何故、ミーチェはサイモンの事を知ってる？サイモン！ミーチェに絡むな！イライラする……。こいつ、宿まで来そうだ……。決めた、宿を替えよう。
どうせ宿屋を替えるなら、風呂付がいいと言うから、ミーチェの言う通りにした。けど、風呂付って２人部屋だよ？いいの？
サイモンが、待ち伏せしていた。1回、一緒に行けば満足するかと思って連れて行ったが、疲れた……。ミーチェが、優しい。宿でバッグにある手料理を振舞ってくれた。凄く美味しい！ありがとう。
お風呂から上がって来たミーチェ、何か悩んでいる？記憶が無くても話して欲しい……、髪にキスをしてしまった。
今日は２人でダンジョンに入る。ミーチェが、上質肉が欲しいと言うので、ハイオーク狩りをしている。やっぱり、２人の方が気楽だ。
狩りが終わり、２０階で野営に良さそうな部屋を探す。野営の準備を始めたら、床が急に輝きだした。魔法陣か？このままじゃ、飛ばされる？急いで部屋から出ようと、ミーチェに声をかけたが、遅かった……。
眩しく部屋が光った後、そこにミーチェは居なかった……。僕だけが一人残された。僕は、ミーチェが消えた辺りの床を調べるが、何もない……。
「まさか！帰ったのか？えっ？何処に……？」
頭が割れる様に痛い……。
「……」
気が付くと、薄暗い部屋に、自分だけ……。頭が、疼く……。
「ミーチェ？」
光と一緒に、消えた…？あれは…、魔法陣？それとも別の…？
「ミーチェ！何処！？」
あぁ、思い出した……。僕の大切なミーチェ。思い出したよ……、ミーチェ。どこにいるの？
「ミーチェ……、消えたりしないって、約束したのに……」
ギルドでの換金額をどう決めているかと言うと。
<森の迷宮>１０～２０階の岩壁迷路の場合
【魔物のランクとドロップ品・買取り価格】（カッコ）はレアアイテム
・毒グモC：魔石2,000、糸1,000
・キノコC：魔石2,000、キノコ500
・ハイオークC+：魔石１0,000、（上質肉10,000）、武器ゴミ
・ジェネラルオークB：魔石30,000、（スキル書20,000～）、（帰還石100,000）、武器ゴミ
・コカトリスB：魔石10,000、コカトリスの肉5,000、羽1,000
・ワイルドホーンB：魔石10,000、角5,000、（鹿肉10,000）
１時間に、６～１０位の遭遇。ドロップ率
・ミーチェ：魔石１００％、アイテム９０％、（レアアイテム５０～４５％）
・ジーク：魔石７０％、アイテム６０％、（レアアイテム３５～３０％）
だいたい、こんな感じで計算しています。もちろん、<迷宮都市>のダンジョンにも設定があります。
