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全自動ロボット
ある男がいた。男は平々凡々、山も無ければ谷も無い。まさに普通の人生を普通に送っていた。
しかし、そんな男にも転機が訪れた。男はロボットを拾ったのだった。
「これはきっと神様が恵まれない自分に与えて下さったんだ!」
男は喜び勇んでロボットを家に持ち帰った。
果たして、そのロボットは所謂ところの全自動ロボットだった。
ロボットは家事の全てを男の代わりに行った。
「こりゃあ良い! 掃除、洗濯、炊事何でもござれだ!」
ロボットの働きぶりに、男は喜んだ。
──3日後、男はロボットを元の場所へ捨てた。
確かに、ロボットは仕事を完璧にこなした。掃除、洗濯、炊事、男がする事全てを。
勿論そこには食事や入浴も含まれていた。