嫁と愛人と騎士と博士と魔王と……げほっ。
誤字、脱字、おかしな文章は見つけ次第修正します。
真っ白な天井。自室の、自分のベッドからいつも見上げている、見慣れた天井。
「…………げほっ」
しかしそんな天井がぼやけて見える。
苦しい。
肺が、肺がなんか熱い。
やけに鼓動も速い感じだし、頭もぼぉーとする。
ピピピッ、ピピピッ、と体温計が鳴る。
デジタルで表示された数値は38.5。
「大丈夫ですか秀兎さん……」
ヒナが心配そうに覗き込んでくる。
「ああ、大丈夫……ぽくねぇなぁ……」
正直言ってつらい。
身体が熱い。
とにかく熱い。昔やられた火あぶりごっこ(主犯美烏)を思い出す。
とか考えているうちに段々意識が……。
「わりぃ、ちょっと寝る……」
「わかりました。お粥か何か、食事の用意をしておきます。出来たら起こしに来ますね」
「ああ、頼む……」
そのまま意識が薄れていく……。
◇◆◇
と、意識を失いそれから事態は始まっていた。
誰が、誰が予想できていただろう?
次に目を覚ます時、そこには悪夢が広がっていて。
『もう、もう死にたい』と思う位にその光景は酷すぎて。
だけど、そんな地獄の光景を見るなんて、思ってもみなかったのだ。
ただその時はちょっと頭が不透明で、もう何でもいいからとにかく頼ってしまった。
それが失敗。
頼ってしまったばかりに、悲劇が起きる。
もう、涙が止まらないくらいの、悲劇が、起きてしまう……。
◇◆◇
「…………」
涙が出る。
目の前の光景が酷すぎて、もうちょっと、自分の未来が見えた気がする。
その未来の自分何故かは悲惨な姿でご臨終していて。
だからもういっそ死にてぇ〜とか思ってしまう。
魔王はもう一度、ゆっくりとその光景を見る。
そこには、純白の服に身を包んだ天使が4人いて……、
何故か顔は楽しそうににこーっとなっているところがまた恐怖心を煽られる。
「…………」
「看病しちゃうぞ☆」
涙が、止まらなかった。