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拾参.脱力魔王の第一歩。

 

「ほほぅ……」


 勇者は、魔王を見るなり見下すような態度になった。


「どうもー」

 魔王は魔王で、なんか滅茶苦茶やる気無さそうーな、あーもうメンドくせぇオーラが漂っている表情でヘコヘコしてた。


「こんな小僧が世界を滅ぼさんとする魔王とは、世も末ですな」

 勇者は肩を竦めた。


 その言葉に、ヒナが「むっ」とする。


「残念ながら貴方と一つ違いなんですー。でもホントですよねー、こんな『小僧』に怯えるなんて、皆頭がおかしいでしょうかねー?」


 めっちゃやる気の無い、覇気の無い声で魔王は言う。


「それにしても、最高勇者閣下自ら俺を殺しに来るなんて、そんなに王様になりたいのですかー?」


「馬鹿者ッ!皇位継承権など二の次。私は純粋に、ラヴデルト皇女殿下に好意を持っている。故に結婚したいのは当然だ!」


「へぇー。そうなんですかー。ヒナって結構モテんのな」

「んー。なんででしょうね?レナ姉様やミフェナ姉様の方がよっぽど綺麗なのに……」

「ご謙遜を。現に殿下は、マジスティアの第二王子様に求婚されておられたではありませんか」

「えー、ヒナモテモテじゃん。第二王子って、あの僕は人畜無害です〜みたいな顔の人でしょ?」

「あー、そういえば。て一々ふった人の事なんて憶えてないんですよね、私」

「うわ、出ちゃったよ勝ち組発言。……ん?て事は何?そんなモテモテさんの夫である俺は勝ち組な訳?」

「勝ち組勝ち組」

「じゃぁ俺世界中の嫉妬の対象じゃーん」

「今更気付いたんですか?もっと早く自覚してくれないと」


「じゃぁ最高勇者閣下殿も俺に嫉妬・・してる訳だ?」


 のほほーんと、地雷っぽいなーと思うような発言をしてみる。

「嫉妬、嫉妬か……」

「してる?」


「しているな。私は人間だ。自分の愛した人が化け物・・・に攫われる、嫉妬しない訳が無いだろう?」


 なんか、相手の競争心に火がついたみたいだった。


「いいのかなー、洗礼を受けたんでしょ?嫉妬なんて醜い心・・・の感情だよ?」


「関係ない。勇者は人間なんだ。完璧に洗礼を受ける人間などこの世に居ない。しかし、貴様のように醜い感情しか無い訳ではないがな」

 

「俺だって考えてんだぜー?「あぁ今日は何をしようかなー。あ、そうだ。帝都に行こう。そんでもって「帝国の婦女子を妊娠させまくってやるぜ!とか」思ってないよぉぉぉぉ!……いや?ホントだよ?だからその蔑む視線をヤメテ!」

 

「ああ、そうだよな。お前童貞・・だもんな」


「……(ピクッ)」


「あ〜あ、悪逆非道の魔王様ともあろう方が、よもや童貞・・とは。なんとまぁ威厳もクソもないな」


「そういうお前は童貞じゃねぇのかよ」


「ふ、自慢ではないが俺も童貞・・だ!!」


「ホントに自慢じゃねぇぇぇ!!」


「当たり前だろう。勇者は欲に溺れない、屈さない。これ常識」


「ふーん、……あ、聞いた話によると勇者のアソコって普通の人より小さいんだって?」


「ぶっ……!」


「(キランッ☆)……成長期である程度までは大きくなるらしいんだけどそれでも同年代と比べるとちっちゃいんだって」


「へぇー。そうなんですかー……」


「う、嘘ですよっ?魔王は嘘を言っているのですよ?「や〜いチビチン〜」チクショウテメェ!やんのかこの野郎!」


「やってやるぜこの野郎!元々その為に着たんだろう?」


 二人が睨み合う。


「け、魔王のくせに……」

「勇者のくせに……」


 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ。と、大気がうねる。


「秀兎さん秀兎さん」

「ん?」


 ヒナが心配そうに見詰めて来た。


「勝てますよね?」

「んー、わからん?」

「私、信じてます」

「あそ。んじゃ頑張るわ」


「という事で私はお昼寝の時間です」


「え!?手伝ってくんないのっ!?」

「私はとても眠いです」

「うそーん。手伝ってよー」

「…………くー」

「寝るの早っ!……えーもうめんどくさいなー」


 狸寝入りなのかなー、と思って見ると、座れそうな大きな岩に寄りかかって目を瞑っている。


「…………くー」 

「……どしよ?」


 これからちょっとドンパチが起こりそうなのでちょっと邪魔かなーとか思うのだが、とりあえず勇者に聞いてみる。


 すると勇者は、

「アロマ、姫様と一緒に居てくれ。お前の《女神の盾アイギス》なら、まぁ平気だろう?」

 そんな事を言って、アロマと呼ばれた人は、

「りょうか〜い」

 なんて、言ってヒナの隣に座る。

 

「え〜。三対一でも結構ヤバイんだけど?」

「心配するな、エルデリカは戦わない」

 エデルカ、と呼ばれた女性は、無言でこくり、と頷いた。


 魔王は、彼女の顔を見て、一瞬だけ驚いたように目を見開き、そして頷いた。


「二対一か〜。しかも、そっちは《悪魔殺し》でしょ?勝てっかなぁ」

 とかいいながら、笑った。

 

 勇者は、ゆっくりと、《悪魔殺し》を鞘から抜く。


「見よ、この伝説の邪龍を殺し、千の魔を屠りし剣を!」


 真っ白な刃に、黒い蛇の刻印。


 かつて、世界を恐怖で支配しようとした龍の首を切ったとされる、《血塗られた剣クリムズ・ドゥリップ》。


 かつて、伝説の勇者が使ったとされる、《呪われた聖剣カース・ピース・オブ・メナス》。


 呼び方は様々だが、必ず最後に、人はこう呼ぶ。



悪魔殺しブラック・レイ》。



 黒い光で、《悪魔》を殺す。


 しかし、


「んー。」

 

 突然、魔王と勇者の間を絶つ様に、真っ黒い亀裂が走った。


 勇者は身構えるが、魔王はその亀裂に近付き、おもむろに手を突っ込む。

 

 そして、勇者たちは目を見張る。

 

「なっ……!」

 

 魔王は、その亀裂に突っ込んだ腕をゆっくりと引き抜いて行く。

 そして、勇者たちが目を見張る。その理由。

 それが、彼の手に握られている。

 

「よっと……」

 

 それは、真っ黒な霧みたいな物を纏っていて。


 魔王は、それを軽く振り回し、その黒い霧を振り払う。

 

 「よしっ」と呟いて、勇者に刃を向けた。

 

 

 真っ黒な刃・・・・・に、白い蛇の刻印・・・・・・



 まるで、《悪魔殺し》の、その『逆』の様な剣を、彼は握っていた。

 

「これで、五分五分かな……?」

 

 しかし、勇者は笑う。


「ぬかせっ!」


 目にもとまらぬ、その速さで、魔王に切りかかる。

 魔王も、それを受け止める。

 

 勇者は、もう目にも止まらぬ速さで魔王を切りつける。

 

 しかし、


「えー。ちょっと待ってよ。もう少しゆっくりやろうぜー」

 なんて言いながら、魔王は全ての剣を弾きまくった。

はぁ。来週試験です……。


と、言いつつ黒ウサは基本的に勉強はめんどくさいのでぶつけ本番で〜す。なので投稿頑張ります!だって小説書きたいんだもーん。


そして!

なんと、TOWACO先生の作品に黒ウサ作品の単語がちょろっと……!

ああ、恐れ多い……!

という訳で、「小悪魔キュロット!」が読めるのは小説家になろうだけ!皆さんよろしく!

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