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拾壱.そして降り立つ。

《闇》の力についてちょっと触れまてみました。

結果大火傷。慣れていないので読み辛いかも知れません。力不足な作者ですいませんっ!

「わかった。とりあえず落ち着こう。俺たちにはまだ言語で語り合えるだけの余裕が……」


「んなもんないわぁぁあああ!!」


「ほらほら、ヒナも暖かいうちに食べようぜ、はい箸」


「あ、はい……」


 素直に返事をする所がこいつらしいなぁ。


「ってなんか真っ黒なんですけどー!?」


 そして素早いツッコミ。んん、こいつらしい。


「いやホントに真っ黒なんですけど……」


 明らかに気持ち悪そうな物体だ。いや、強いて言うなら豚汁をモノクロにしたような感じ。

 汁がやたらと濃そう。


「知らないのか。それは黒味噌と黒豚と黒人参とか、とにかく真っ黒な素材ばっかで作ったんだ。だから黒い」


「へぇ〜そうなんですか〜……」

 

 なんかそう言われると、妙に納得してしまっ…、



「あ、ゴメン嘘」



 たりもしませんでした!はい!


「なんで嘘吐くんですか!?ていうかこれなんなんですか!?」


 しっかしさっきからよく喋るなぁ〜。


「大丈夫、味は普通だから。いやマジで。ホントにフツーの豚汁雑炊だから」


 じー、と疑いの目で見てくるが、味は大丈夫(の筈)。俺食えたし。


「まぁ、そこまで言うなら…………」


 渋々な感じで汁を啜る。一口。二口。首を傾げてもう一口。さらに薄黒い人参を摘み上げて口に放り込む。


「…………」


「……どうよ?」


「……フツー」


 なんか納得いかない様な顔をして、俺を睨んでくるが、俺は無視して残りを食べる。

 ヒナも、それ以上は追求しないまま食べ始める。

 身体を温めるには、やっぱり温かい物食うのが一番だなぁ〜、とか思った。


  ◇◆◇


「ご馳走様でした」


 キチンと食べ終え、お椀を置く。見た目はあれだが、結構美味しかった。

 と、ヒナは思いながら魔王の首を絞める。

 

「なんで鍋食べてんすかねぇ?私は懸命に探したのに?なんでのほほんとしていたあなたが先に食べてんですかねぇ?」

 

「ちょ……!ギブッ!ギブアッ……プ!」

 

 段々血の気が薄くなっていく。

 丁度いい具合に青ざめてきた所で、ヒナは解放した。

 

「はぁ、痛め付けた所でこの状況は打開できませんしね…………」


「ゲホッ!エ゛ホッ!ツゥゥゥゥ……!」


「で、なんなんですかあの鍋は?」


 もう一度魔王の首に手をまわして、尋問。

 今度は締め付けない。にっこりと笑って、「テメェの命は私の手の上だぞコンニャロウ」と言外に脅迫する。あ、少しでもふざけたら落とすけどね?


「分かった。話す。だからこの手をどけ「あ゛あ゛?(ギロッ)」無くていいですね!もうホントナマ言ってすいません!」


「分かったならー、早く言ってくれないと私にも我慢の限界があるんですー。だからー、は や く い え コラァ!」


 魔王は、「なんかもうメンドクセェなー」とか「眠いなぁ〜」とか思いながら、人差し指を突き出す。


 その人差し指の周りが、黒い『霧』、というか『もや』というか、そんな感じの、気体に包まれる。


 ヒナは、ちょっと驚いたような顔で呟いた。

 

「《闇》、ですか……?」


 闇。概念的な物ネタミやゼツボウ物理的な物カゲ、その総称。


「《闇の皇帝》である俺は、その力を支配し、自由に使役できるのは知ってるよね?」

 秀兎は、ゆっくりと彼女の手を首から外す。

「はい、秀兎さんの正反対の位置に居るのが私ですし」


 光。一切の邪を寄せ付けない、奇跡の力。


「ここで少し難しい話になるけど、影ってのは、物体があれば必ず出来るのもじゃない?」

「はぁ……」

「影の形はその物体の形と同じ。つまり、影は形を真似する」

「…………」

「だけど、これは少し違った認識なんだ」

「?」


「影は、その物体の全てを真似する」


「……あ!」

「わかった?」


「影分身!」


「んー、近いような、近くないような。でもまぁそんな感じだ」

 

 俺が食べていた雑炊は、真偽で言うと偽物という事。


 要するに、豚汁雑炊のコピーだ。


「《闇》って物質・・は物凄く万能性が高い。俺はこのが失われない限り、絶対・・に死なない」


 栄養は、《闇》を擬似的な食物として摂取すればいい。水分もしかり。


「なんというか、せこいですね〜……」


 反則と言うか、ヤバイと言うか、魔王に相応しいほどにすごい能力だった。


「いや《光》だって十分せこいと思うけど……」

「えぇ?いや私のほうはただ自分に害を成す魔術魔法を自動破壊するだけですけど……」

「ん?……ああ、成程」

「あ、今なんか分かった様な顔しましたけど何が分かったんですか?」

「いや、大した事じゃ任でけど、過保護もここまでくると何て言うか〜みたいなね?」

「ん〜?」

 訝しげに秀兎の顔を見るが、特に喋る気は無いらしい。

 秀兎は仰向けに寝転がり、空を見上げる。


 太陽の昇り具合からして、大体二時くらい。


 空は晴れ渡り、涼しげな風が草を揺らす。


「とりあえず、ゆっくりのんびり行こうじゃないか」

 

 ヒナは、自分の心がさっきより穏やかな事に少し驚いた。 


    ◇◆◇


 なんて語ってみたけど、どうしようこの状況?


 ――どうしようといわれても、私に決定権は無い。


 そうじゃなくて、案を、打開策をプリーズ。


 ――今、シャリーが手当たり次第にやってわいるが、中々難しいらしい。


 これも、俺の不幸が原因?


 ――本来、《門》が消えるなどありえない。そのありえない事・・・・・・が起こっているのだ。十中八九、お前の所為だろう。


 がーん。改めて言われるとかなりショック!

 

 ――まぁお前はそういう星の下に生まれたしまったのだ。後ろよりも前を見ろ。


 ……で、どう思う?

 

 ――多分そこは日本だろう。気候からして東京から南の方。小笠原諸島のどこかだと思う。

 

 じゃ、なんで日本の領地にあいつらがいる?

 

 ――貸付だろう。世界最大の帝国に対する貸しかなにか、そこら辺が妥当だな。

 

 なるほど、誰かと思ったらあの石頭か。帝国最強の。

 

 ――しかも、機械武装だろうか。そんな感じがする。

 

 試作機とは違うわけか、どうだろう?

 

 ――難しい。表面構造がすこし複雑だ。少なくとも、この前のようにスッパリいくのは無理だ。

 

 オッケー、用心する。ああそれと、

 

 ――別に良いだろう。しかし『そいつに何かあれば』、だ。間違っても、人は殺すな。それが約束だ。

 

 分かってる。あと、早めに頼む。もう、たぶんあんまり時間が無い。

 

 ――了解した。こちらも急ぐ。だから、死ぬな。

 

 …………。……なぁ、いつも思うだけどさ。

 

 ――なんだ?


 お前やっぱ可愛いな。


 ――……ッ!…………そ、そうか。可愛いか。そうだな私は可愛いな、あはは!あははは!


 自暴自棄は良くない。落ち着け。可愛いのはホントだけど。

 

 ――そういう事をあっさり言うなぁぁああああ!!


 恥かしいんだろ?あはは!お前どんだけ初心なんだ……ってちょー!!やめてー!


 ――いっつも私を辱めてッ!お前は!この!この!あ、あんな、恥かしい事をさも平然と……!私で遊ぶなぁああああああああ!!!!


 痛い痛い!やめて!ギロチンやめてぇぇぇええええ!!


 ――……!………!


 …!…………!!!!


    ◇◆◇


 そして、


 彼らはやってきた。


 自らの意思に従い、救うべき者が待つ島へ。


 彼らは降りて行く。

ピーピー!執筆速度上昇中。執筆速度上昇中。

今日は二話投稿出来そうです。

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