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九.可愛い嫁とのデート。でも危険が一杯。

デート編。

と言いつつ危険一杯。

 

「…………」

 ここは、何処だろう?


 確か、俺は人生は初の『デート』に来た筈だ。


 だけど、ここは何処ですか?


 俺達は確かに魔王城を出た。

 元々、魔王城の周りは地雷地帯と言っても過言ではないくらいに危険で、出るには転移魔法を使わなければならない。


 その際使われる転移魔法陣は、《ゲート》と呼ばれる常時起動している転移魔法を使う。


 これを操れるのは、魔術師団団長のシャリーだけだ。

 

 しかし、シャリーが悪戯をしたとは思えない。

 

 行き先はヒナに任せた。俺は、引っ張られるようにして《門》をくぐり、そしてここへ来たのだった。

 

 しかし、当人の彼女も驚いている。


 口をポカンと開けて、「あ〜…」とか「わ〜…」とかほざいてやがる。


 これが俺の所為になるならば、考えられない事もない。

「ん〜…………」 

 俺は黙って、昨日の事を思い出してみた。

 

 ◇◆◇


「ということで、デートに行きましょう!」

 ……。

「…………は?」


 俺は、うっかり食いかけのアイスを落としかけた。


「とっとっと! あっぶねぇ〜……」

「うも〜、アイスなんてどうでも良いんですっ!デートですよデート!」


 デート?

 

「なんでデート?」

「いやだって私夫婦とか何するのか分かんないしだったらいっそカップルみたくデートでもしようかなぁ〜なんて…………」

「…………」

 

 デートねぇ……。

 

「……あの〜、やっぱり無理なんですか…」

「…………」

「……あの、そんな無理に考えなくても…」

「…………」


 デート。


「行くか、デート」


「ホントですかっ!?」

「ああ。とりあえず、行き先はヒナが決めてくれ」

「はい!」


 ヒナは急ぎ足で自分の部屋に戻っていった。



 ――いいのか?安請負いして。


 ああ?別に、大丈夫だと思うよ?


 ――そうじゃなくて顔だ。少なくとも、フリギアには行けないな。


 確かになー。……あ、そうだ。髪を脱色してカラコン付ければ良いんじゃね?


 ――それだけで大丈夫なのか?


 いざとなったら街を潰すッ!


 ――…………。


 と言うのは冗談だぞ?ホントだぞ?


 ――冗談は好かないな。


 冗談塗れの奴がよく言うなぁー。


 ――お前が言うのと私が言うのでは真実味が違うだろう


 どう言う事?


 ――お前ならやりかねんという事だ。

 

 なっ!?何故!? 

 

 ――昔のお前を考えれば、の話だがな。 


 あの時は若かった……。


 ――まぁ、とにかくトラブルにだけは気をつけろ。


 それは心配?忠告?


 ――……ッ!…………どっちもだ。


 へー。可愛…ちょっ!やめっ!その地味な精神攻撃やめて!


 ――うるさいうるさい!変態!エロガキ!ド変態!


 ちょっ!マジっ!止め……!……!


 ――……!………!


    ◇◆◇


 んー。別に変わった事は無かった。

 

 しかし、本当に『ここ』は何処だろう?

 

「地球、だよな……」

「まぁ、そうでしょうね……」 

「日本、なのか……?」

「それは、分かりませんねぇ……」

「後ろは海、だよなぁ……?」

「そうでしょうねぇ……」

「砂浜、だよなぁ……」

「そうでしょうねぇ……」

「じゃぁ俺たちの目の前に広がっている物は何?」


「これは、強いて言うなら……、『密林』、でしょうか」

 

 一定に聞こえる波の音。ゆったりとした潮風。目の前に広がるは鬱蒼と生い茂る大自然。ある程度周ってみたけど人っ子一人いない。


 そう。


 認めたくないのだけれど。


 泣きたくなるのだけど。



 詰まる所、二人は『無人島』らしき場所に居た。


 

「「ここは一体何処ですかぁぁぁぁぁあああああああ!!!!」」


 声は、何処までも遠く、晴れ渡った空に飛んでいく。

なんだか二人とも帰れない模様。

あはは、魔王の不幸属性が発動です。

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