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錬金堂繁盛記  作者: 三津屋ケン
99/651

099 総利益と『オムライス☆2』

9/23更新2つめです。

挿絵(By みてみん)


「おはようございます。マスター」


 再ログインした俺を迎えたイズミはいつものジト目少女だった。よかった。


 あのままだったら別なゲームに突入してたかもしれない。

 そしてアカBAN。永久追放だ。


「おはよう、イズミ。店とか任せっぱなしで悪かったな」

「なんの問題もありませんよ。

 これが3日間の収支です。ご確認ください」


 渡された帳面には売り上げやら経費やらと数字が並んでいる。それが3日分。

 最後の総利益の金額が銀貨1800枚を超えてた。マジか。


「これ、ミライナ先生にもお礼渡したんだよな?」

「はい。この金額が加工賃です。

 次もぜひよろしく、とのコトです」


 ちゃんと銀貨1000枚以上渡している。

 それでこの利益か。店って凄いな。


 いや、イズミ達が頑張ったからこそだ。

 それを忘れちゃイカン。


「ありがとう、イズミ。それにシロも。よくやってくれた」

「わんッ」

「眷族なんですから当たり前のコトですよ?

 さ、朝ご飯にしましょう」


 クルリと踵を返す。

 が、うなじの赤さは隠せてないぞ。照れてるな?


挿絵(By みてみん)


「さぁ、召し上がれ?」


 ドヤ顔イズミが自信たっぷりに俺の前に置いたのは。


「おおおッ!?」


 なんと俺の好物『オムライス』、しかも☆2だ。


 たしかログアウト前にそのうち食わせてくれとは言った。

 しかしあの時はまだレシピさえ無かったはずだ。

 それをこの短期間で。しかも☆2とは。


「凄いなイズミ!

 メッチャ頑張ったんじゃないか?」

「ふふふふふ。

 わたしの努力を賛美するのはまず食べてからですよ?」


 調子に乗ってるな。しかし今は許す。

 スプーンを手に取る。慎重にオムライスに差し込んだ。


「うまいッ! うまいぞイズミッ!!

 うわぁ、なんか感動だ」


 食べるだけならリアルで店にいけばいい。

 しかしこの『オムライス』は、イズミが俺のために覚えて練習して作ってくれたのだ。

 値打ちが違う。


「俺、眷族がお前でホントに良かった。ありがとうッ!!」

「ま、まぁ、分かればいいんですよ。分かれば。

 オカワリありますよ?」


挿絵(By みてみん)


 あー、美味かった。

 オムライス2皿食べちゃってもうオナカいっぱいだよ。

 いいのかね。朝っぱらからこんなにゼイタクしちゃって。

 食後のコーヒーもまた美味いんだ。幸せ。


「で、マスター。今日はどうなさいます?」


 あ、忘れてた。

 あんましゆっくりしてる時間は無いんだった。


「えーと、あと1時間くらいで友達がログインしてくるんだ。

 体験版なんだけど。

 ゲームの中案内してくれって頼まれててさ」


「あらま。でしたら歓迎の用意しないと。

 バーベキューとかします?」


 さっそくオモテナシの算段だ。頼もしいな。


「いや、いつも通りでイイよ。

『叫びの森』にマンドラゴラ掘りにいく予定だっただろ。

 それに連れて行こうかと考えてる」


「それなら、向こうに着いたら採集を手伝ってもらいましょうか。

 わたしとシロがついてれば多少強い魔物が出ても大丈夫でしょうし」


 そうだな。それくらいが丁度いいか。

 まさかガーディアン戦に付き合わせるワケにもいかないしな。


 即死絶叫でイケメン昇天。……ありか?

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