表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
錬金堂繁盛記  作者: 三津屋ケン
96/651

096 孤児院とお肉

9/22更新2つめです。

挿絵(By みてみん)


「「「「シュークリームだーッ!!!」」」」


 はいはい、沢山ありますからねー。

 まず小さいお子さんからですよ?


「はぁーいッ!

 ありがと! 魔女のおねえちゃん!!」


 元気いっぱいですね、子供たち。

 持ち込んだシュークリームの山にドンドン突撃してきます。

 40人はいますかね。けっこう迫力ありますよ?


「ありがとうございます。

 こんなに沢山の甘いモノは初めてです」


 優しそうなシスターさんですね。

 この孤児院の院長先生だそうです。

 本物のシスターです。

 シスター姿と言えばカーミラ様ですが、あのヒト本職は大吸血鬼ですからね。なんちゃってシスターなのです。


 孤児院は教会の慈善施設らしいのですが。

 予算が限られているそうでいつでもオナカいっぱい、ってワケにもいかないそうです。

 この世界の宗教組織は基本質素なようです。

 商売下手というか。


 だからミライナさんも母校の危機?にひと肌脱ぐワケです。


「慈悲深き『ヒジカタ錬金堂』に女神のご加護あらんことを……。

 え、ミライナちゃんも?

 ええ? なんですかこの銀貨の山?

 えッ、寄付!?」


挿絵(By みてみん)


 さらに追加で、市場で大量に買い込んだお肉と野菜をポーチから引っぱり出します。

 50人分の焼肉セットです。

 これはミライナさんの手土産ですね。


 院長先生が息を呑み、叫びました。


「みんなッ!

 今日はお肉よッ!!

 ホンモノのお肉よッ!!!」


「「「「わーッ!!

 お肉ッ!!お肉ッ!!お肉ッ!!

 ホンモノのお肉ッ!!!」」」」


 皆さん大興奮です。

 院長先生までガッツポーズで雄叫び上げてます。


 ところでホンモノじゃない肉ってなんなんでしょうね?


「エリンギ炒めて焼肉のタレつけるとそれっぽくなるので」


 ミライナさんの説明です。

 ほほう。今度マスターで試してみましょう。


 しかし、ここまで喜んでくれると手土産のしがいがあるというか。


「……わたし、頑張って働くので次もお願いしますね!」


 メチャクチャ気合い入ってます。ミライナさん。


「こちらこそ。錬金堂の未来はミライナさんにかかってますよ?」


 これは本当です。

 マスターが予定通り『錬金術師』になれたとしても、生産ばっかりやってるワケにもいかないですからね。

 いちおう冒険者で。

 少なくともログアウト中の錬金堂はわたし達が回すのです。


「これからも、はりきっていきましょう。

 当然、シロもですよ?」

「はいッ!!」

「わうッ!!」


 いいお返事です。

 ヒジカタ錬金堂の未来は明るいですね。


 あれから孤児院で焼肉パーティに突入。


 わたし達もチャッカリご相伴に預かりました。

 超楽しかったです。


 40人以上の子供達と仁義なき焼肉大会。

 生存競争の厳しさを思い知らされましたね。

 戦果? 惨敗ですよ。

 シロは勝負を避けて肉をおねだりする作戦に移ってました。

 多大な戦果を上げたようです。賢すぎます。


挿絵(By みてみん)


 ミライナさんはあのまま孤児院に残りました。

 お泊まりするそうです。

 里心って言うんですか?

 院長先生や後輩の皆さんと一緒に寝るそうです。


 嬉しそうでしたね。

 家に帰ってきた、って感じでした。


 ちょっと羨ましいですね。

 家族とか、わたしはよく分からないので。


 初めての食べ歩きの旅は、ジャンクフードに始まりラーメンを経由し焼肉パーティに終わりました。

 実り多き旅でした。

 ちょっと食べ過ぎましたかね?


 いきなりラーメンスープは厳しいですが、他のレシピはなんとか作れそうな気もします。

 焼肉ならすぐにでも。

 うん。家で焼肉大会、いいですね。


 当然マスターも一緒に。楽しみです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ