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錬金堂繁盛記  作者: 三津屋ケン
83/651

083 どうしましょ

9/15更新3つめです。

『マナポーション☆2』なんですが。

 一瞬で売り切れましたね。瞬殺です。


 お一人様2本限りの部分は多少文句も出ましたが、早朝組同士の話し合いで納得して頂いたようです。

 殴り合い寸前でしたけど。


 取引はあっさり済んだのですが、面倒だったのはその後です。

 全員、やたらと予約販売か受注生産を頼み込んでくるのです。


 まぁ、ニッコリ『店長が不在なのでお受けしかねます』でゼンブ切り捨てましたけど。

 極上の営業スマイルVerです。

 さらにしつこい場合は『NPCなのでわかりません』です。

 困り顔Verで。


 実はマスターから、『ややこしい話はゼンブ断れ』と言われているのです。遠慮はいりません。


 だけどナンですか。

 早朝組のお客さん5人とも男性だったんですけど。

 スッゴイ見るんですよね、わたしを。

 メイド服、そんなに珍しいですかね。

 あと頼まれたのが、

『ご主人サマって呼んでもらってもいいですか?』。

 丁重にお断りしました。


 わたしのご主人様は一人だけですので。はい。


挿絵(By みてみん)


「さて、どうしましょうか」


 マナポーション早朝組の後続はいないようです。

 いったん2人と1ワンコで営業会議です。

 なにしろ目玉商品が正規の開店前に売り切れてしまいました。


「マスターからは、この時点で店を閉めてもイイとは言われてますけど」

「さすがにそれは。一応チラシもギルドに貼ってありますよ?」


 そうですよねぇ。

 これからチラシを目にするヒトもいるわけで。

「とりあえず店は開けますか。

『傷薬☆2』しかありませんけど」


 話は決まりました。


 予定通りミライナさんは明日販売分のマナポーション作成を。

 シロはボディガード継続で。

 ご主人様ウンヌンの時は物陰から臨戦態勢取ってくれてました。心強いですよ?


 いま思えば、早朝組さん達にも『傷薬☆2』オススメするべきでした?

 完全に忘れてましたね。ごめんなさいマスター。


『傷薬☆2』は在庫が250包くらい。

 本当にコレ、売れるんですかね?


挿絵(By みてみん)


「じゃあ10個ちょうだい」


 おお、またお買い上げです。

 軽装レンジャー風のお客さんに手渡します。上機嫌ですね。


「ありがとうございます。

 またのお越しをお待ちしております」


 マスター作の『傷薬☆2』が予想外に好評です。

 客層はライトユーザーの方々? 

 銀貨1枚半でHP75回復、という序盤のお手頃感が受けているようです。

 だいたい10個単位でお買い上げになられます。

 いやはや、ナニが受けるかわかりませんね。


 やはり傷薬でも☆2はほとんど流通してないようです。

 商品を見せるなり皆さん『掘り出し物見つけた!』って感じで食いついてくれます。

 それに☆2は回復量増の他にクールタイムも短縮されてるようなのです。

『鑑定』がLVアップしたら説明が追加されてました。

 マスターの徹夜は無駄ではなかったというコトです。

 よかった。


 何人かのお客さんの話によると、現状☆2の商品を扱っているお店はごくわずか。

 更にそれを標準価格で店頭売りするのは、まずあり得ないそうなのです。

 詳しいヒトには、標準プラス50%の上限価格が定価だと言われました。


『傷薬☆2』なら銀貨2枚と銅貨25枚? ハンパですね。

 まぁ、うちの価格設定は現状維持で。

 マスターと決めた値段なので。

 それに上限価格だと効率で『傷薬☆1』より落ちることになっちゃいますし。


 だけど売れ行き好調の理由がわかりましたね。

 品質だけでなくお値段でもお得感があったみたいです。

 たまたまですけど。


 それにマナポーション売り切れでガッカリなお客さんに、これぐらいのご奉仕価格はアリだと思うのです。

 せっかく、こんな町外れまで足を運んで頂いたので。

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