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錬金堂繁盛記  作者: 三津屋ケン
82/651

082 ヒジカタ錬金堂オープン!           

9/15更新2つめです。


イズミさんの本気。

挿絵(By みてみん)


「おはようございます。シロ」

「わうッ」


 いいお返事です。

 今日も元気ですね。すぐ朝ご飯用意しますから。


 外もいいお天気です。よく晴れてます。

 特に窓のないカンオケ部屋から出るとギャップが凄いですね。


「さ、召し上がれ」


 シロに山盛りドッグフードを用意しました。

 目玉焼きもオマケしてしまいましょう。


「わうーん♡」


 料理の最中にもね。シロのプレッシャーが凄いのです。

 この食いしん坊さん。

 従魔だし味の濃い食べ物も大丈夫ですよね?

 後で調べときましょう。


 さて、わたしも頂きましょうか。


 目玉焼きとサラダ、こんがり焼いたロールパン。ミルクたっぷりのカフェオレ。


 イメージは『魔界飯 新宿』でご馳走になったモーニングセットです。

 うん、美味しい。

 大将にはゼンゼン及びませんけどね。

 修行あるのみです。


 エネミーから眷族になってナニが良かったって、やはり食事ですね。

 まさに日々感動。自分で作ればなお美味しい。

 問題は料理の腕でまだマスターにさえ追いついていないってコト。

 この3日間で追いついて見せますよ。

 フンスッ。


 だけど『料理スキル強化優先』って。

 結局やりたいようにやれってコトじゃないですか。

 マスターってば、もう。


「今日からちょっとマスターがいませんけど。

 頑張りましょうね」

「わうッ」


 頼もしいですね。よろしくお願いしますよ?


「イズミさん、おはようございます」

「おはようございます。ミライナさん。

 早いですね。今日もヨロシクお願いします」


 お互いに会釈を交換します。

 しかし上がったミライナさんの顔がなんだか曇ってます。


「外を見ましたか?

 お客さんが何人か並んでますよ。もう」


 え? まだ7時前ですよ?


 慌てて店のドアを開けると、うわ、すでに5人並んでました。

 顔を出したこちらを認めると、ダダッとみんな駆けよってきます。

 全員フル装備の冒険者。迫力ありますね。


「開店は何時からですか!?」

「『マナポーション☆2』は幾らなんだ!?」

「10本しかないんですよね。全部買えますか?

 カネならあります!!」

「おいッ、ちょっと待てよ!? そりゃないだろう!!」

「順番守れよ!?」


 なんかお客さん同士で口論が始まってしまいました。困ります。


「えぇと、ホントは開店8時なんですけど、すぐに開けます。

 とりあえず、お一人様2個までで。1本銀貨75枚です」


 うわぁ。これは予想外ですよ?


挿絵(By みてみん)


 こうなったら、わたしも本気を出さざるを得ないようですね。


 フル装備で迎え撃ちますよ。

 出でよ! メイドさんフル装備よ!!


「な、なんですか? イズミさん? その格好は」

「これぞフルアーマーメイド状態プラス超営業スマイルです。

 どんな厄介なお客さんも右に左に捌いてくれましょう!!」

「は、はぁ」


 ふふふ。

 ミライナさんもこの接客特化Verの迫力に気圧されているようですね。

 マスターが隠し持っていたカチューシャとエプロン。

 これがあってこそメイド装備は完成するのです。

 まぁ、防御力は1ミリも上がらないんですけどね。

 雰囲気ですよ。雰囲気。

 なんか強そうじゃないですか。対人、特に対男性に。


「ミライナさんは『マナポーション売り切れました』って紙に大きく書いてドアに貼って下さい。

 シロはボディガードとして待機。

 では、開店しますよ?」

「は、はいッ」

「ワンッ!!」


 ヒジカタ錬金堂オープンです。

 さぁ、世界よ。刮目せよ!!


挿絵(By みてみん)

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