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錬金堂繁盛記  作者: 三津屋ケン
79/651

079 お話ししましょう

9/14更新2つめです。

挿絵が増えたので短めです。

 約束の時間。


 俺はカンオケ部屋、つまり自分の寝室に入った。

 ドキドキ。

 なんで自分の部屋入るのに、こんな緊張せにゃならんのだ。


「あ」


挿絵(By みてみん)


「なんですか、その顔は。

 ナニか文句でもあるんですか?」


 いや。やっぱ似合うな、その服。

 イズミは昨日買ったあの私服だ。


「そうでしょうとも。

 気合い入れて選びましたからね」


 ふんすと胸を張る。頬がほんのり紅い。


「………。

『義務』の前にちょっとお話ししましょう。

 ここに座ってください。マスター。

 はい、正座で」


 ……正座ですか。

 はい、わかりました。だから睨むなって。


 イズミも靴を脱いで正座。

 俺たちはベッドの上で正対?した。


「マスターは明日から3日間休暇を取られるワケですが。

 開店初日も放り出して。イイご身分ですね」


 そんな繁忙期に有給申請したゆとり社員みたく言われても。


「すまん。

 だけど仕方ないだろう。コレばっかりは」

「それは分かっています。

 廃人になれとはわたしも言いません。

 ですけど、寂しいじゃないですか。わたしが」


 あれ?

 なんか可愛いこと言い出したぞ?


「わたしは3日前、今の『わたし』に転生してマスターにお仕えするようになりました。

 そして明日から3日間放置ですか。

 ちょっと薄情じゃありませんか?」


 うーむ。そう言われるとそうか?

 イズミがググイと顔を寄せて圧迫してくる。近い。


挿絵(By みてみん)


「マスターは眷族にとって、とても大事な存在なのですよ。

 その自覚を持ってください」

「わ、わかった」


 これから気をつけます。だから落ち着いてくれ。

 イズミから風呂上がりの良い匂いが。


「ログアウトは仕方ありません。

 その代わりわたしにキチンと指示をください」


 いや、やりたいようにしてイイぞ?

 食べ歩きとかどうだ?


「それは有難うございます。

 ですけど自由の方はいいのです。充分いただいています。

 この場合わたしに必要なのはむしろ束縛。

 具体的には短、中期的な目標設定です」


 自由より束縛だとか、LVが高すぎて俺にはわかりません。


「性癖の話じゃないですよ?

 マスター不在中の行動指針が必要だというコトです。

 例えば『魔法スキル強化優先』とか『商売利益優先』などです」


 なるほど、そういうのね。

 よかった。ちょっとビビったぜ。


「マスターはわたしの自主性を尊重してくれてますが、それが一番困ります。

 マスターの希望に添うのも眷族の義務なので」


 ナンデモイイが一番困る、とか聞いたコトあるな。

 ならばお言葉に甘えて希望を述べさせてもらうか。そうだな。


「『料理スキル強化優先』で頼む。

 ただし、お店の方もちゃんとした上で。

 先生にもキチンと加工賃とか渡したいし」

「当然です。

 お店を開くからには黒字経営を目指します」


 あと将来的には『オムライス』とか作ってくれると嬉しい。好物なので。


「洋食の中級レシピですね。了解です。

『オムライス☆5』を長期目標として設定します」


 そこまでしなくていいです。

 ☆1でいいから食わせて。


挿絵(By みてみん)

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