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錬金堂繁盛記  作者: 三津屋ケン
65/651

065 『料理』スキルとドロップ品

9/1更新3つ目です。

 戦術に課題を残したボス戦であった。

 まぁ、考えとこう。


 ただ、待ちスティックやガーディアンに比べるとそこまで厳しい相手ではなかった。

 初めてのパーティボス戦には相応しかったかも?


「LVアップしました! 『料理』スキル取得します!」


 イズミの鼻息が荒い。

 俺が返事する前に取得は済んでた。いいけどさ。


「ふふふ、これでわたしも料理名人……」


 そこまで都合のイイもんか?

 期待が一人歩きしてるな。心配だ。


 俺もLVアップしてイロイロ上がった。

 スキルポイントはとりあえず保留だ。


『錬金術』スキル取得に何ポイント必要か分からんしな。

『査定』スキルみたいに、必須じゃ無くてもお役立ちなスキルもあるかも知れない。

 そう思うと無駄遣いできん。


 そしてドロップ品なのだが。

 その中にあったのが『巨狼の牙☆3』。


 これはボス狼のレアドロップなのかな?

 最初から☆の多い奴はその傾向がある。多分そうだろ。


 イズミに鑑定してほしいのだが、今彼女はなにやらブツブツ唱えていてちょっとコワイ。後で頼むか。


「わう?」


 お、興味あるのか?

 珍しいな。シロがアイテムを見たがっている。


 お前もオオカミだもんな。見るか? 飲み込むなよ?

 しゃがんで見せてやるとフンフンと匂いを嗅いでいる。


 すると不意に『巨狼の牙☆3』が光って消えた。

 え? うそ、食っちゃった?


挿絵(By みてみん)


 光った巨狼の牙が消え失せて、代わりにシロの口内が光っている。

 慌ててシロの口をこじ開けた。

 こんな尖ったモノ飲み込んだら大ケガして動物病院行きだ。


「わう~?」


 口の中にアイテムは無かった。

 光っていたのはシロ自前の牙だ。

 いや、ちょっと違ってるか?

 輝いてるのは2本の犬歯。それだけ他の歯と質感が違う。

 まるでさっきの巨狼の牙に生え替わったかのような?


 ある可能性に思い当たってステータスウィンドウを開く。

 確認するのはシロの装備だ。


 思った通り、『なし』の文字が『巨狼の牙』に変わっている。

 これ、シロの、いや犬系従魔の専用装備か。


 なるほど。

 そうするとボス狼の出現自体がシロのイベントだったんだな。


 オオカミ一定数撃破が出現フラグなら、この前、ソロで暴れたときにそうなっているハズだ。

『支配する杖』と戦ったあの晩だ。

 しかしボス狼は現れなかった。

 それはシロがいなかったからだ。


 きっと犬系の従魔を連れたプレイヤー、テイマーやサモナー向けの小イベントなんだろう。

 犬系以外にもそれぞれ同様のイベントがあるに違いない。

 楽しそうだな。羨ましい。


 しかし『巨狼の牙』だけなのかね。

『巨狼シリーズ』として他にも防具系とかあるんじゃないか?

 ボスのドロップ品として。

 ふむ。あるなら揃えたいな、『巨狼シリーズ』。

 ゲーマー心が疼くぜ。


挿絵(By みてみん)


『巨狼シリーズ』有無の検証をやってみたいのだが。


「さっさと帰りますよ! はい、ハウスハウス!!」


 イズミさんがバンバン両手を打ち合わせて帰宅を促している。

 一刻も早く料理スキルを試したいようだ。

 この情熱に水を差す勇気を俺は持たない。

 スマンなシロ。続きはまたな。


「わう」


 うん。空気の読める賢いワンコだ。あとで骨ガムやるな。


 夜の草原を後にし、俺たちはイズミに引っ張られるように帰宅した。

 といってもすぐ近くだけどね。

 こういうときホームが町外れというのは楽でいいな。


「じゃあ、わたしは台所にいますので。

 後はヨロシク!」


 店のドアを開けるなり、高らかに宣言した。

 すぐさまリビングに飛び込むイズミさん。


 はい、分かりました。イズミさん頑張ってください。

 マスターってなんなんだろうね。

 シロは台所でイズミを見守るつもりなようだ。

 よく出来たワンコだよ。


 商店街で買っといた骨ガムを渡す。

 それを咥えてシロはイズミを追いかけていった。

 ウチに来てくれて良かった。頼むぞ。


 イズミのことも、まぁ、イイのだ。


『夢中になれるモノがあるというのは、とても幸せなコトだ』

と爺サマもよく言ってた。邪魔は野暮だ。


 それにイズミの料理には俺も期待しているのだ。

 いつでもドコでも美味いモノが食える。

 そりゃ最高だろ。頑張ってくれよ?

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