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錬金堂繁盛記  作者: 三津屋ケン
628/659

622 事務手続きと箱罠

挿絵(By みてみん)


 たっぷり食べて飲んで歌っての歓迎会。

 大盛況でひと安心♪ よかった。


 リリパット族の皆さんも旅の疲れをずいぶん癒やせたようです。

 さっそく個々に新生活の準備をはじめています。

 引っ越し初日は大忙しですよ?

 住居となる大キノコもそれぞれ納得のいく物件を確保できたようですね。


 長老さんのお話によるとここまで随分と苦労をされたとか。

 ただでさえモンスターが普通にいる世界です。

 サイズ的にもなおさら厳しいですよねぇ。

 よくサバイブできたものです。


 運良く冒険者ギルドと繋がったことで無事に来られたと仰ってました。

 まぁ《迷宮樹の森》も全くの天国というワケではありませんけどね?

 少なくとも命の危険は無いと思います。

 ノビノビ暮らしてくださいな。


 しばらく援助も継続しますし。

 原資はマスターに稼がせますよ? 


「そう心配することはない。

 見た目よりずっとタフで賢い連中よ。

 この豊かな森で自給自足するのに問題は無い。

 うまくいくであろ」


 ラフレ様の評価はずっと楽観的です。

 わたしも見習いたいですよ?


「とりあえず冒険者ギルドに話は通しておきますね。受け入れ完了の件。

 町の方々にも周知をお願いしておきます」


「そちら方面は頼む。

 森の中は妾に任せておくがいい」


 女王陛下が頼もしすぎます。うっとりしますね。


 考えてみれば配下の方々だけで数え切れないほど率いているのです。

 一般の国民とかどれほど抱えてらしたのでしょうかね?

 何万? 何億?

 そりゃ余裕あるはずですよ。

 多少のトラブルなんてほんの誤差なんでしょうね。



挿絵(By みてみん)


「というワケでリリパット族の本隊が到着。

 《迷宮樹の森》への受け入れも無事完了しました」


「了解しました。

 ギルド長にも伝えておきますね」


 善は急げと巨狼シロの背中に乗り、やってきました冒険者ギルド。

 受付はいつものパルミットさん。

 笑顔と谷間の眩しい眼鏡美女です。ちぇ。


 胸から目をそらせてまず町の皆さんへの周知をお願いしました。 


「ラフレ様とその配下の皆さんが注意してくれてますが。

 なにしろあのサイズです。

 乱暴に扱えばひとたまりもありませんよ?

 特に子供が虫取り網で捕まえたりとかしないように」


 少し考え、パルミットさんはうなずきました。


「わかりました。急ぎ周知を手配します。

 《迷宮樹の森》で生活するのであればもはや町の一員です。

 意に反して『善良な』住人の自由を奪うことは許されません。

 それがこの町の決まりです。

 皆さんにもそうお伝えください」


 スタットラインは移民にもちゃんと対応できる町でした。

 特に『善良な』の部分を強調してました。

 ここ重要ですね。


 続けて移住してきたリリパット族全員の名簿を作って提出するよう指示されました。

 戸籍もちゃんと作るようです。


「新しく赤ん坊が生まれたら名簿に追加してください。

 でないといざというとき保護もできませんから」


 なるほど。

 そういう事務手続きも必要なんですね。たしかに大事。


 ふと気付きました。


「えぇと、そういうことであれば……。

 ラフレ様と配下の皆様とか、るるいゑ寿司の従業員の皆様とかも名簿が必要ですかね?

 お願いしとかないと」


「い、いえ。あの、そのあたりの方々は」


「いらんいらん!

 この町を怪しげな神格の巣窟にするつもりか!?

 だいたい誰が連中を保護できるちゅうんじゃ」


挿絵(By みてみん)


 奥からノッソリ現れた巨体は冒険者ギルド長、エビス様です。


「これはエビス様。ご機嫌よう」


「黒土山から戻ったと思たら移民の受け入れか。

 《錬金堂》は休みなしやの」


「店主はお休み貰ってますけどね」


 とはいえリアルでゆっくりしてるイメージはまるで湧きません。

 向こうは向こうでガツガツ時間を詰めてることでしょう。

 そういう厄介なヒトですよ? セルフデスマーチというか。


「鬼神は敬して遠ざける。

 魔界からの客人は見て見ぬ振り。それが鉄則や。

 変に名簿とか作ったら連中同士の相克に巻き込まれかねん」


「けっこう仲良さげな感じでしたけど?」


「多神系同士はマシや。

 カルトな一神系がヤバイ。

 よう覚えとけ」


 くれぐれも念を押されました。

 そういう神サマもいるんですねぇ。


「それはそうとしてや。

 叫びの森の森番から報告が届いとる。

 マンドラゴラ採取に関する基礎修練の提案なんやが」


 おっと忘れてましたよ?

 マスターが相談してた件です。


挿絵(By みてみん)


 収納ポーチからマスター作成の『箱罠[小]☆1』を取り出し渡しました。

 あと森番さん作成の設計図も。


 シゲシゲと手に取ってチェックするエビスギルド長。


「ふうむ。

 これでシャクアントを捕獲してマンドラゴラを引き抜かせよう言うんやな?

 壊れとるが」


「マスターはそれで1匹捕獲して、2匹目で壊されたとか」


「素人作成ならそんなもんか。

 プロの木工職に作らせたらもっと頑丈にはなるやろ」


 ギルド長、しばらく考えてましたが。


「よっしゃ、採用や!

 パルミット! 

 木工職にこの『箱罠[小]』の量産依頼を出してくれ。

 マンドラゴラ採取依頼を受けた冒険者にはまず箱罠の使い方をレクチャーする。

 結びつける細ロープも必要や。

 指導係はその準備。そこらのシャクアントで練習させとけ。

 マナポーションの流通増は冒険者全体の利益や!

 最優先とする!」


「話が早いですねぇ。

 じゃあ採取依頼は《錬金堂》から出しますよ?」


 さっそく便乗したらジト目で睨まれました。おお、コワイコワイ?


「この商売上手めらが。

 報酬ケチったら承知せんぞ?」

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