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錬金堂繁盛記  作者: 三津屋ケン
43/651

043 ガーディアン戦

8/18更新3つめです。

挿絵(By みてみん)


 ギィィィヤァァァァァァァァァァアッ!!!


「マンドラゴラ・ガーディアンは絶叫を放った」


 耳をつんざく大音響!

 同時に壁みたいな衝撃波に俺はぶっ飛ばされた。


 イキナリの開幕絶叫攻撃。

 容赦ないなッ!


 HPバーが8割消えたぞ。急速再生待ったなしだ。

 即死効果は弾いてるが素のダメージだけで瀕死だ。こりゃ手強い。

 もう一発食らったらアウトだ。距離を取らないと。


 ドスドスドスドス。


 なんとその距離を走って詰めてきた。その足、どう見ても歩行に向いてないんですけど!?

 短い足を豪快に踏みしめ突っ込んでくる。


 俺は呪文を詠唱中だ。そこに巨体ごと回転するような右フック!

 紙一重で回避。と思ったらそのまま左の裏拳が襲ってきた!

 バックステップで避けたが横っ面をカスッた。

 またHPがレッドゾーンに戻る。

『再生』頼む。こりゃ豪腕だぞ。


 樹精もそうだったがコイツもパワーファイターのようだ。

 絶叫はクールタイムが長いのかな。連発する気配は無い。


『影縛り』

 影から湧き出た無数の柔腕が巨体を縛る。がんばれ。


『怪力』!

 背を掴み足を強引に払ってドスンと顔面?から倒した。さてどうするか。


『吸血』

 俺は倒れた背中にまたがって後頭部?らへんに噛みついた。


 HPもそうだがMPが特にヤバイ。

 この調子で『急速再生』を繰り返してるとあっという間に枯渇してしまう。

 転がしたらすぐ吸うぐらいの勢いでいかないと。


 ただそれだとMPを保たせてるだけで、勝負自体はじり貧になる。

 更にどうダメージを稼ぐかなんだが……。


 ガーディアンのお味はやはり和風だった。ピリリと辛味の強いワサビ大根みたいな味だ。

 サンマとよく合いそうだ。チリメンジャコでもいいな。醤油が欲しい。


 巨体にしがみ付くタメ頭部の葉っぱを掴んだ。肉厚な長い葉で掴みやすい。


「ギッ!? ギギッ!?」


 巨体の手足がバタバタと暴れ出した。嫌がってる?

 試しに、別のまだ小さい葉に持ち替えて思い切り引っ張ってみた。

 根元からブチンと千切れた。


「ギッギィ!?」


 巨体がなおさら暴れる。痛そうだ。

 おお? ダメージも意外とあったようだ。


 コレ、弱点か?


挿絵(By みてみん)


 ギィィィヤァァァァァァァァァァアッ!!!


 再びの絶叫。俺は取りついていた背中から跳ね飛ばされた。


 だがダメージは軽い。

 背中越しだったせいだろう。嬉しい誤算だ。


 2度目の絶叫を食らい、転がして作ったチャンスも振り出しだ。しかし。

 フフフ、これでだいたいの算段はついたぞ?


 まず絶叫は背後にくっついてれば威力をかなり殺せる。

 物理攻撃は両腕を回転させての連続パンチ。

 片腕でも直撃すれば沈没必至の強パンチだが大振りで捌きやすい。

 そして弱点だ。

 アタマの葉っぱ。引っこ抜けばかなりのダメージが見込める。


 くくく、毟りまくってやるぜ。


 ただ、さっきは薄く小さい葉を選べたから簡単だった。

 残りの厚くて大きい葉は『怪力』なしじゃ俺には引っこ抜けまい。

 そうなると転ばせるのは『空気投げ』限定になる。カウンターをうまく決めないと。


『空気投げ』で転ばせて即『吸血』。

 吸いながら葉っぱを掴んで吸い終わりに『怪力』で引っこ抜く。

 よし。基本の流れはコレで。


 立ち上がった巨体がドスドスと駆けてくる。重量感が凄い。


 こちらは脱力して待機だ。

 あの両腕回転攻撃を掴まえるのだ。落ち着けよ、俺。


 クールタイムの長い絶叫を跳ね飛ばしに使わせてしまえば、コイツは殴りかかるしか手が無くなる。

 そして力任せの接近戦は『空気投げ』の土俵だ。


 極太の右フックが俺の顔面を襲う。そしてその裏側では左腕が次の裏拳を準備しているはずだ。


 しかし次は待たない。


 俺は一歩踏み込み巨体の懐に飛び込んだ。


『空気投げ』


 俺がいた空間を豪快に薙ぐ右腕。これを内側から掴まえ体捌きを合わせる。

 彼我の勢いを同調。一緒に回りながら向こうの回転軸をこちらに移す。

 軸の移動した回転はガーディアンの巨体を簡単に浮かび上がらせた。


 ドッスゥン!!


 地面に顔面から叩きつけられた巨体。

 その背中に俺は飛びついた。


 覚悟しろよ? ガーディアン。

 何十回でも繰り返してやるからな。俺はしつこいのだ。

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