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錬金堂繁盛記  作者: 三津屋ケン
35/651

035 ゾンビ疑惑

8/15更新2つめです。

 罪もない植物たちを『ファイア・ボール』でぶっ飛ばしまくるのは中止。


 俺たちは町に戻り冒険者ギルドに向かった。


 メイド装備を譲ってもらって財布がスカスカなのを思い出したからである。

 有り金はたいた上にマケて貰ったのだ、あれ。


 オオカミの毛皮と大コウモリの翼を納品して小銭を稼ぐ目論みだ。


 冒険者ギルドについたら依頼ボードを確認。

 うん。それぞれ討伐依頼がある。


『オオカミ5体討伐 報酬銀貨10枚

 納品物 オオカミの毛皮×5』

『大コウモリ5体討伐 報酬銀貨10枚

 納品物 大コウモリの翼×5』


 大雑把にこんな内容の依頼票が貼ってあった。


 あと薬草と毒キノコの採集依頼もあったのでついでに確保した。

 こないだ達成したのと同じ内容だ。

 同じ依頼の連続受注はできない仕様だが、あれからゲーム内で4日経っている。

 問題は無いようだ。貢献ポイントは貯まらないけどね。


 よしよし。これで一息つけるな。

 さすがに一文無しじゃカッコがつかないし。


 俺が依頼ボードに張りついてる後ろで、

 イズミがギルドの中をキョロキョロ見渡している。


「へー、ここがあの冒険者ギルド。来るの初めてです」


 だろうな。

 君、こないだまでエネミーでむしろ討伐対象だし。


 つーか、俺も討伐対象なんじゃないの? ひょっとして。


「吸血鬼討伐依頼は………。ないな。よかった」

「マスターみたいな小物、もしあってもスルーですよ?」


 小物て言うな。

 いずれは俺もカーミラさんみたいな大物吸血鬼に、な、……れるといいなぁ。

 いつか。きっと。うん、できれば。焦らずいこう。


「吸血鬼討伐をお探しですか?」


 巨乳メガネさん、いやギルド受付嬢が笑顔でやってきた。

 相変わらず胸元がデンジャー。


「特殊依頼なので今はありませんよ。ランクも足りてませんし」

「いやいや、ちょっと興味あっただけで。見てるだけですよ?」


 やべー。ひょっとして、ギルドって今の俺には鬼門か?


「もし遭遇してもすぐに逃げてくださいね。

 吸血鬼は例外なく、とても強いという話です」

「弱い個体はいないのですか?」


 イズミが質問した。おい、なぜ俺を横目で見る。


「もしいたら、弱い吸血鬼はゾンビのくくりでしょうね」


 おーいッ!?


 言うに事欠いてゾンビて!? 吸血鬼ですよ!?


 イズミも笑ってんじゃないッ!

 俺、ゾンビじゃないから!!

 ゼンゼン腐ってないしッ。ピチピチだしッ。


「落ち着いてください、マスター。まずは納品しないと」


 は、忘れてた。


 ゾンビ疑惑に憤慨している場合ではない。

 依頼票とドロップ品を揃えてカウンターに置く。

 当然☆1だ。報酬は変わらないので。


「はい。依頼達成ですね。こちらが報酬です」


 おお。銀貨22枚。

 やっぱり強い相手は見返りも大きいな。


 いや、むしろ植物コンビが安すぎるのか?

 討伐でなく採集依頼だったし。

 ひょっとしてあいつら、モンスター扱いされてない?



挿絵(By みてみん)

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